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岩本輝雄氏が分析 Eフランクフルト・鎌田のFKは森保ジャパンの大きな武器

[ 2022年9月19日 04:30 ]

ドイツ1部   Eフランクフルト3―1シュツットガルト ( 2022年9月17日 )

Eフランクフルトの鎌田大地(ロイター)

 ドイツ1部アイントラハト・フランクフルトのMF鎌田大地(26)が、17日のシュツットガルト戦でセットプレーから全得点に絡む活躍を見せて3―1の勝利に貢献した。ドイツ遠征を前に1得点1アシストを記録した鎌田は、日本代表の課題になっているセットプレーからの得点力不足解消の切り札になり得るのか。名キッカーだった元日本代表MFの岩本輝雄氏(50)が分析した。

 3得点全てが鎌田のセットプレーから生まれたが、W杯へ向けた日本代表にも最高の追い風だと思う。FKを直接決めた2点目は壁の間の割れているところをカーブをかけて狙ったボールが相手に当たってコースが変わって決まった。GKがボールを見やすくするためにこういう壁の作り方をすることがあるが、幸運にもGKの逆を突く形になった。

 今のサッカーは相手に守備を固められると簡単には相手守備を崩せず、点が取れないので、カウンターとセットプレーが重要になっている。ゴール近くのFKやCKのキッカーを任されるということは、監督に信頼されているということだ。FKを直接狙うときはあまり近いと蹴りにくい。ちょっと遠めぐらいがボールに変化を付けやすく、決めやすい。そして私もFKは得意だったが、壁もGKも関係なく、キッカーが全て。自分のイメージ通りにいいボールを蹴って落とせればいい。セットプレーは練習すればするほどうまくなる。そして練習だけでなく、試合で決めればうまくなるし、自信になる。鎌田は今回決めたことで自信をつけた。これが大きい。

 日本代表はカウンターからは伊東らスピードのある選手がいるので攻撃の形を持っているが、セットプレーから得点を狙える選手はいなかった。鎌田が出てきたことで大きな武器を手にしたことになる。さらに相手がペナルティーエリア近くでファウルをしないように神経を使ってくれれば、それだけ日本が攻めやすくなる。鎌田のポジションの兼ね合いはあるが、堂安のケガなど不安もある中で好材料だと思う。(元日本代表MF)

 《MOM選出「なんか入っちゃう」》セットプレーで全得点に絡んだ鎌田は13日の欧州CL、マルセイユ戦に続いてマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。今季公式戦10試合6得点と好調で「こうしてゴールやアシストが続けば、なんか入っちゃう」と笑顔。前半6分のFKはGKにはじかれたが、すかさず味方が詰めた。後半10分には正面やや左のFKが相手をかすめて微妙にコースが変わって加点した。後半43分は左CKで3点目をアシスト。日本代表でも期待がかかる活躍だ。

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