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J1復帰の京都、4095日ぶり星 ウタカ弾でいきなり浦和撃破 昇格チーム白星発進なら残留率100%

[ 2022年2月20日 05:30 ]

明治安田生命J1第1節   京都1-0浦和 ( 2022年2月19日    サンガS )

J1<京都・浦和> 浦和に勝利し、抱き合って喜ぶ京都イレブン (撮影・平嶋 理子)  
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 各地で8試合が行われ、J2から12年ぶりに昇格した京都は優勝候補の一角に挙がる浦和を1―0で下した。後半4分にFWピーター・ウタカ(38)が先制ゴールを奪い、逃げ切った。J1での勝利は、2010年12月4日のFC東京戦以来4095日ぶり。出身の京都で指揮を執るチョウ貴裁(チョウキジェ)監督(53)は最高のスタートを切った。

 小雨が降り続き、息が白くなるほど冷え込んだスタジアムが異様な熱狂に包まれた。12年ぶりに臨んだJ1開幕戦で、天皇杯と12日の富士フイルム・スーパー杯を制した浦和を打倒。強気でならすチョウ貴裁(チョウキジェ)監督は“らしさ”全開の第一声だった。

 「僕自身、19年以来のJ1の舞台だが、変な高ぶりはなかった。“いつも通りやろう”と選手と約束した。われわれの出来が良かったというよりもキャンプからやってきたことを出せた印象」

 自分たちの色を出せばビッグクラブも恐れる必要はない。指揮官の覇気が乗り移ったかのように選手が躍動した。後半4分、20歳のMF川崎がペナルティーエリア右へドリブルで持ち込み、クロスを送る。中央で待ち構える38歳のウタカは相手GKの動きを見極め、右足でゴール左スミへ流し込んだ。J2で3季連続20得点した大エースは「(決勝点は)チームプレーだった。いい時間を過ごして私たちは力をつけている。われわれの秘めた力をもっと見せ、アドベンチャー(冒険)していきたい」と笑み。先制後は猛攻にさらされても好セーブ連発のGK上福元を中心に虎の子の1点を守り抜いた。

 チョウ監督は19年にパワハラ問題で湘南を去り、1年間の資格停止処分を受けた。昨季、生まれ育った京都で再出発するに際し「京都のフットボールを、皆さんと一緒に世界へ近づける」ことを目標に掲げた。苦しい時期を経験し、スタッフや選手一人一人の気持ちに寄り添いながら一緒に高みを目指す。「久々のJ1の舞台で世界に通用するアドベンチャーの第一歩をしるせた。じわ~っと、うれしさがこみ上げてきたが、安心してはいられない。慢心せず、謙虚に進んでいきたい」。今季スローガンはサンガのSが入った「S Adventure」。冒険が始まった。(原口 公博)

 【データ】12年ぶりに昇格を果たした京都が開幕戦に勝利。J2が創設された99年以降、昇格チームが開幕戦に勝利したのは延べ16チーム目。全てのチームがJ1に残留しており、残留率は100%となっている。また、J1での白星は10年12月4日のFC東京戦以来、4095日ぶり。07~20年の横浜FCの4603日に次ぐ、歴代2位のブランク勝利となった。

 《20歳川崎がアシスト》決勝点をアシストしたのはウタカより18歳若い下部組織出身のMF川崎だ。「浦和を相手に“自分たちが勝つんだ”という気持ちでいけた」と胸を張る。前半は前線に顔を出す場面がほぼなかった。「(ハーフタイムに)怖さを出せていないことを反省した。チームを勢いづけようと思ったプレーが得点につながって良かった」。指揮官は「アカデミーの選手が初めてのJ1で力を示してくれた。もっと成長できる」と期待を寄せた。

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