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森保J 10ヵ月ぶり活動再開 久保にも漂う世代交代の予感

[ 2020年10月6日 05:30 ]

カメルーン代表との国際親善試合へ向け、調整する久保(共同)
Photo By 共同

 日本代表は5日、新型コロナ禍による活動休止期間を経てオランダで約10カ月ぶりに活動を再開した。スペインで進化を続けるMF久保建英(19)には新エース襲名の期待が高まる。感染対策を万全に整え、9日にカメルーン、13日にコートジボワールといずれもユトレヒトで無観客の親善試合を行う。

 ビルドアップからパス交換し、最後はゴールの角を狙い、シュートを放つ。コロナ禍による厳戒態勢の下、動きだした森保ジャパン。久保が軽快な動きを見せた。「去年と何が違うかといえば1年分の実績を積んだこと。確かな自信となって自分の中にある。1段階上のレベルにいられているかと」。練習前のウェブ取材でも自信がみなぎっていた。

 コロナ禍での試合開催。サッカーができる責任もまた痛感する。「もし自分が10歳の子だったらサッカー選手に、という夢が遠のく感覚だったと思う」。夢を壊したくない。19歳127日で迎えるカメルーン戦で得点すれば金田喜稔(19歳119日)に次ぐ歴代2位の年少記録。「点を取るのがチームへの貢献」。求められる役割は十分理解している。

 23人全員が欧州組、東京五輪世代も7人含まれ、基本は4バック布陣となる。久保は欧州CLを制したBミュンヘンを例に「あれだけの選手が走って守って攻撃すれば勝つ。簡単なこと」と言った。スペインで2季目、今季は5戦連続途中出場ながら世界の強豪と互角に渡り合ってきた自負もある。背番号10も期待される今回、攻守に進化した姿を見せる。

 日本代表のオランダ遠征は09年以来。同9月のオランダ戦では、当時まだ実績のなかった本田圭佑が絶対的キッカーの中村俊輔にFKキッカーを直訴し、物議を醸した。この一件を機に本田は存在感を増し、翌年W杯南ア大会でエースに成り上がった。

 「今、人々にとってサッカーは数少ない娯楽の一つ。いろんな方の協力を得て開催できる。恩返しじゃないけど期待を結果、内容で返していくのが今回は義務になる。代表の意味を見せたい」と久保。再びオランダの地で新エースが産声を上げそうな予感が漂う。

 ▼本田と中村のFK争い 09年9月5日の親善試合オランダ戦。後半18分のFKの場面で途中出場の本田が、中村に「蹴らせてほしい」と直訴、助走しそうな姿を見せた。最終的に中村が蹴ったが、当時の絶対的キッカーに対し、実績も少ない23歳が名乗りを上げたことで、両者の間に不穏な空気が流れた。国内でも物議を醸したが、その後成り上がっていく本田の象徴的なシーンとなった。試合は0―3で敗れた。

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