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CL、主要4大リーグに続き…コロナ直撃で欧州選手権も延期へ 決定なら16回目で初

[ 2020年3月17日 06:30 ]

新型コロナウイルス感染拡大の影響で欧州選手権も延期が濃厚に(AP)
Photo By AP

 新型コロナウイルスの猛威が欧州サッカーを直撃した。欧州チャンピオンズリーグ(CL)などの欧州カップ戦、イングランド、スペイン、ドイツ、イタリアの4大リーグなどの主要リーグが13日までに次々と延期を発表。少なくとも4月初旬までは公式戦が全て中止となり、前例のない空白期間に突入した。欧州連盟(UEFA)は17日に臨時ビデオ会議を開き、欧州選手権や各大会の今後の日程について討議する。

 16回目となる欧州選手権が史上初めて延期される可能性が高くなった。イタリア協会のグラビナ会長は15日に地元テレビで「(各国の)リーグ戦を終わらせる方が先決だ」と、17日にUEFA加盟全55協会が参加するビデオ会議でUEFAに延期を要請することを表明。ドイツ公共放送ZDFは、UEFAは延期を決議し、FIFAと今冬か来年か開催時期を協議する見通しと報じた。

 欧州選手権の延期が確定すれば、5月末までに終了予定だった欧州カップ戦と各国リーグを延期することが可能となる。しかし、先行きは不透明。欧州全体で急拡大する新型コロナウイルスは終息の見通しが立たず、4月上旬を目指す各国リーグの再開は遅れることが濃厚だ。

 グラビナ会長はセリエA再開が5月になる可能性も示した上で「6月30日を今季終了の仮想デッドラインとしているが、伸びる可能性も除外できない」。シーズンが7月にずれ込んだ場合は、サンプドリアに期限付き移籍中のDF吉田麻也のように6月末で契約が満了する多数の選手への対応が必要となる。

 さらに厳しいシナリオも浮上した。英紙タイムズによると、6月中旬に感染のピークを迎えるとの英国政府の予想を受け、イングランド協会のクラーク会長は13日の緊急会議で「シーズンを全て消化できると思えない」と発言。打ち切りとなった場合の焦点は今季の取り扱いで、英スカイスポーツは首位独走中のリバプールの優勝を認めた上で、降格はなしで来季は2部からの昇格2チームを加えた22チームで戦う案を報道。またウェストハムのブレイディ副会長は今季全体の無効を主張しており、その場合リバプールの30季ぶりVは幻となる。

 リーグが中止となれば多大な収入減も招く。プレミアリーグは放送権収入だけで年間の約4分の1にあたる7億5000万ポンド(約993億円)の損失が推定されるなど、各国リーグはウイルスの脅威とともに財政危機にも直面することになる。

 ≪今冬or来夏で調整か≫欧州選手権の延期時期は今冬と来夏の可能性がある。イタリア紙コリエレ・デラ・セラは来季の各国リーグを中断して「11月23日~12月23日に開催」という具体的な期間を報道。1年延期する案は、21年6月に中国で開幕するクラブW杯があるため、FIFAの反対が予想される。また今季の欧州CLについては準決勝のホーム&アウェーをなくし、イスタンブールで準決勝と決勝を4日間で行う一括開催案が浮上している。

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