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長友、若手へマリーシア指南 駆け引き勝負で精神的優位を狙う

[ 2018年10月14日 05:30 ]

国際親善試合   日本―ウルグアイ ( 2018年10月16日    埼スタ )

リラックスした表情で練習する(右から)吉田、三浦、堂安、長友、遠藤(撮影・小海途 良幹)
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 日本代表はパナマ戦から一夜明けた13日、親善試合ウルグアイ戦(16日、埼玉)に向けた調整を行った。ウルグアイはW杯ロシア大会でも8強入りした南米の強豪。森保一監督(50)就任後初出場が濃厚なDF長友佑都(32=ガラタサライ)は、体格で劣る南米勢になめられない試合の入り方が重要だと強調した。午前中に新潟市内で練習したチームは、午後に全員で埼玉入りした。

 時には激しく、時にはマリーシアに。ウルグアイ戦で森保ジャパンデビューが濃厚な長友が、“先制パンチ”の重要性を説いた。完封したが、21本もの直接FKを与えたパナマ戦。世界ランク5位の南米勢相手では、一つのファウルがより得点に直結する危険性が高い。だからこそ、百戦錬磨の32歳は試合の入りを鍵に挙げた。

 「精神的な部分での駆け引きというのは、サッカーには凄く大事。特に海外選手は日本人をフィジカルが弱いとか、体が小さいとなめている部分はあると思う。そこでファーストプレーで“俺はここにいるぞ”と精神面のダメージを与えると、駆け引きや勝負は変わってくる」

 7年間所属したインテル・ミラノ時代。師と仰ぐサネッティら元アルゼンチン代表勢から教わったことだった。より危険な時間に危険なエリアでファウルを取られないための、威圧策。「ずる賢さは必要になってきますよね、世界で戦う上では」と力を込めた。

 本田や長谷部ら強い存在感を放ったW杯組が日本代表を去った今、国際Aマッチのキャップ数は現代表最多の109。国際経験を新戦力に伝える重要なパイプ役を担う。

 ベンチで見守ったパナマ戦は19歳のDF冨安が躍動した。「僕、19歳の時はね、(明治)大学(のスタンド)で太鼓叩いてましたから。嫉妬しちゃいそうですね」。というのはもちろん冗談で、本心は「凄くうれしい」と若手の台頭を大歓迎。そんな新戦力の先頭に立ち、森保ジャパンデビュー戦は“はじめの一撃”から存在感を放つ。

 ▽マリーシア ポルトガル語で「マリーシア」、イタリア語では「マリツィア」と言われ、ずる賢さを意味する。状況に応じて時間を稼ぐ、時には審判を欺くといった、駆け引きで試合を優位に運ぶプレーを指すことが多い。古くから日本人に足りないものと指摘される。最終盤のCK後に、カウンターから逆転負けを喫したW杯ロシア大会ベルギー戦では、ブラジルのテレビ局テラが「日本は経験とマリーシアが不足していた」と評した。

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2018年10月14日のニュース