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札幌、都倉の劇的弾で地震後初勝利 終了間際PK決め4位浮上

[ 2018年9月30日 05:30 ]

明治安田生命J1第28節   札幌2―1鳥栖 ( 2018年9月29日    札幌D )

<札幌・鳥栖>後半アディショナルタイム5分、決勝点となるPKを決めた都倉(撮影・高橋茂夫)
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 エースの劇的弾で地震後初勝利だ。コンサドーレ札幌は29日、札幌ドームで鳥栖と対戦。1―1の後半アディショナルタイムにFW都倉賢(32)がPKを決め、2―1でリーグ戦3試合ぶりの勝利を飾った。北海道胆振東部地震後、公式戦4試合目で道民へ勇気と希望を届ける白星。札幌は勝ち点44とし、クラブのJ1最多勝ち点を記録するとともに4位に浮上した。

 執念だ。エースの真骨頂だ。後半アディショナルタイム。FW都倉がスルーパスに反応する。強靱(きょうじん)な体をぶち当て相手DF有利な状況からマイボールにすると、ペナルティーエリア内で再び体を当ててPKをもぎ取った。

 「ベンチスタートだったけど、自分の仕事ができたのでそれについては満足している」

 PKをゴール左下に決めた瞬間、札幌ドームは歓喜の渦。「最後まで諦めずに戦った結果。みんなに感謝したい」。都倉の圧倒的なフィジカルと執念が劇勝を完結させた。

 前半26分にFWジェイがPKを失敗。後半44分に同点とされていただけに、値千金のPKだ。「久々にPKで緊張した」。PK獲得したとき、センターバックの宮沢主将が駆け寄って言った。「頼むよ。信じている」。仲間や道民、その全ての思いを背負い、重圧の中で決め切った。

 都倉は言う。「震災をきっかけや言い訳にしたくない。震災にかかわらず、全ての試合で100%でプレーしてきた」。プロである以上、一試合に懸ける思いはどんな状況でも変わらない。そしてまた被災者を思う気持ちも変わらない。これが地震後の初勝利。お立ち台でこう締めた。

 「僕らは北海道とともにある。皆さんも震災に負けないように頑張ってください」。愛する北海道へ劇的な白星を届け、ヒーローは続けた。「残り7試合。死に物狂いで、泥くさく勝ち点3を取りにいきたい」。昨季を超えるJ1でのクラブ最多となる勝ち点44で4位浮上。都倉がACLへ号砲を鳴らした。

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2018年9月30日のニュース