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【W杯 今日の注目選手】ジュバ抜けた問題児「露のイブラヒモビッチ」

[ 2018年7月8日 02:50 ]

ロシアW杯準々決勝   ロシア―クロアチア ( 2018年7月7日    ソチ )

今大会3得点と活躍中のロシア代表FWジュバ
Photo By ゲッティ イメージズ

 世界中の予想を覆してのベスト8入り。だが、この男の活躍はロシアのファンも期待していなかっただろう。今大会3得点のFWアルチョム・ジュバ(29=アルセナル)。1メートル96、90キロのゴツい体格とともに、「ロシアのイブラヒモビッチ」を自称する問題児だ。

 あらゆる大物監督と衝突してきた。スパルタク・モスクワ時代、ディナモ・モスクワとのダービーに1―5で惨敗すると「あのちっちゃいコーチに聞いてくれ」とエメリ監督(現アーセナル監督)に暴言。カペッロ元代表監督に忌み嫌われて14年W杯には招集されず、今年1月にはマンチーニ監督(現イタリア代表監督)と対立して強豪ゼニトから放出された。そもそもスパルタクの下部組織育ちにもかかわらず、15年に宿敵のゼニトへ移籍した時点でファンからもあきれられている。

 だが、反骨心も相当だ。今年4月、本来なら出られないはずのゼニト戦に自ら違約金の半額6万ユーロ(約780万円)を払って出場。後半43分に同点弾を叩き込み、古巣ベンチ前でガッツポーズした。チェルチェソフ現代表監督にも嫌われていたが、負傷者の関係でW杯メンバーに選ばれると途中出場したサウジアラビアとの開幕戦でヘディング弾。その後は全て先発し、決勝トーナメント1回戦スペイン戦では重圧のかかる同点PKを決めた。

 「誰もPKを蹴りたがらなかった。外したら殺されると思ったけど、神は見捨てていなかったね」。守り倒すロシアにあって、前線でボールキープできるジュバは貴重な存在。準々決勝クロアチア戦も決定的な仕事が期待できそうだ。

 ◆アルチョム・セルゲイビッチ・ジュバ 1988年8月22日生まれ、モスクワ出身の29歳。父はウクライナ人、母はロシア人。06年にスパルタク・モスクワでトップチームデビュー。09年と10年にトム・トムスク、13〜14年と15年にロストフへのレンタル移籍を挟み、15年にゼニトへ移籍。今年1月にアルセナルへ期限付き移籍した。ロシア代表は11年11月デビューで通算27試合14得点。1メートル96、90キロ。背番号22。

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2018年7月7日のニュース