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ハリル監督 課題見えた!アジア対策キーワードは“くの字走法”

[ 2015年6月18日 05:30 ]

アジア対策へ、ハリルホジッチ監督が動く

 屈辱のドロー発進となったW杯アジア2次予選初戦のシンガポール戦から一夜明けた17日、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が早速、試合の分析に着手した。引いて守備を固める相手を崩すため、オフザボールでの鋭い動きだしが必要と判断。9月3日の第2戦カンボジア戦(埼玉)に向け「オブリック・ランニング」をキーワードに掲げた。

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 ショックを引きずるほどヤワじゃない。屈辱のドロー発進から一夜明け、ハリルホジッチ監督は休むことなく文京区のJFAハウスに“出勤”した。19日に開催予定のスタッフ会議に向け、シンガポール戦の分析に着手。シュート23本を放ちながら無得点に終わった試合の映像を何度も見返した。霜田技術委員長は「監督は昨夜(16日夜)から映像を見ていた」と説明。引いて守りを固める相手を崩す難しさを再確認した上で、アジア対策として「オブリック・ランニング」の新キーワードを掲げたという。

 オブリック(oblique)は英語で「斜めの」を意味する。サイドから中央、もしくは中央からサイドへ斜め方向に走り、相手のマークの受け渡しやラインコントロールを混乱させる「ダイアゴナル・ラン」は日本サッカー界でもなじみある用語だが、対する「オブリック・ラン」は斜めに走りながら「く」の字を描くように鋭角的に方向転換する動きだし。走る角度を急激に変えることで、相手の視界から消えてマークを外す効果がある。パスを点で合わせる高度な技術が要求されるが、出し手と受け手のタイミングが合えば密集地帯をフリーで抜け出せる頻度は増える。

 実力が拮抗(きっこう)する欧州では、一方のチームがカウンターすら狙わずに極端にどん引きする展開はめったにない。霜田技術委員長は「欧州では片方がずっと攻めて片方がずっと守る試合というのは、なかなか経験できない。監督には“これがアジアの予選だよ”と話しました。試合前から情報は入れていたけど、言葉や映像で説明するのと、実際にやるのは違う。シンガポール戦が初戦で良かった」と言った。

 ハリルホジッチ監督は「フットボールに魔法のつえはない。汗をかき仕事をするしかない」と語っており、新たなフリーランニング技術を駆使して、地道に攻撃面の強化を進めていく。

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2015年6月18日のニュース