×

し烈ブンデス残留サバイバル!最下位から勝ち点2差に5チーム

[ 2015年5月12日 08:30 ]

今季途中からチームを指揮するシュツットガルトのステフェンス監督(AP)

 ブンデスリーガの残留争いがし烈を極めている。第32節が10日に終了し、残り2試合で最下位の18位シュツットガルトから勝ち点2差以内に5チームがひしめく大混戦。次節(16日)はシュツットガルトと14位ハンブルガーSVの名門対決、最終節(23日)には下位4チームの直接対決が控える。自動降格の17、18位、2部3位との入れ替え戦に回る16位回避へ、まさにサバイバルマッチの2試合となる。

【ブンデスリーガ動画 順位表】

 南ドイツの古豪が望みをつないだ。シュツットガルトは9日にマインツを2―0と破り、4試合ぶりの白星。敗れれば自力での残留が消える危機で、守備陣が2カ月ぶりの無失点と踏ん張った。GKウルライヒは「これを続けないといけない。あと2つ勝ちたい」と悲壮な決意を口にした。

 第32節を終えて勝ち点30の最下位は変わらないものの、15位フライブルク、16位ハノーバー、17位パーダーボルンとは勝ち点1差。14位ハンブルガーSVとも2差で、今後のカードを考慮すると14位以下の5チームによる残留争いが濃厚だ。残り2試合はハンブルガーSV、パーダーボルンといずれも降格危機のライバルが相手だけに、逆転残留には勝つしかない。

 1893年創設でブンデスリーガ制覇3回、ドイツ杯優勝3回。13年までFW岡崎が所属し、現在もDF酒井高がプレーするシュツットガルトは昨季も残留を争い、途中就任のステフェンス監督が主力外しなどの荒療治を施して15位に滑り込んだ。今季は06~07年にチームをリーグ優勝に導いたフェー監督が就任も、12節終了時で勝ち点9の最下位に沈んで辞任。ステフェンス監督が復帰して守備を立て直したものの、今度は得点力不足と苦境は変わらなかった。「いつ出番が来てもいいように準備している」と話す酒井高も、ミスが失点につながった3月13日のレバークーゼン戦以降はベンチを温め、チームに貢献できていない。

 不振の要因に挙げられるのが長期ビジョンの欠如だ。成績不振により08年からの7年間で監督が延べ8人、スポーツディレクターが3人、会長も3人が交代。FWマリオ・ゴメス(現フィオレンティーナ)を09年に移籍金3000万ユーロ(当時約39億円)でバイエルンMへ、MFケディラを10年に同1400万ユーロ(当時約15億6800万円)でRマドリードへ売却したが、その資金で補強した選手たちは期待外れで、再三の監督交代により戦術も固まらなかった。

 従来は近郊にライバル不在で、盛んな自動車工業をベースにした資金や人気を一手に集めていたが、ホッフェンハイムなどが台頭。新興勢力に対し、クラブの古さと大きさが改革を妨げる原因となっている。次節は同じく低迷する、かつての強豪ハンブルガーSVと対戦。77年から籍を置く1部死守へ、絶対に負けられないリーグ通算100回目の名門対決となる。

続きを表示

2015年5月12日のニュース