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柏 冷や冷やACL切符 延長後半10分、レアンドロ弾でやっと

[ 2015年2月18日 05:30 ]

<柏・チョンブリ>延長後半、ヘッドで決勝ゴールを決める柏・レアンドロ

 サッカーシーズンがいよいよ幕を開けた。ACLプレーオフが17日に行われ、昨季J1で4位の柏がホームでチョンブリ(タイ)を延長の末に3―2で下し、2年ぶり3度目の本大会出場を決めた。延長後半10分にFWレアンドロ(30)が決勝ゴールを挙げ、今季から指揮を執る吉田達磨監督(40)が初陣を白星で飾った。1次リーグE組に入る柏は、24日に敵地で全北(韓国)との初戦に臨む。G大阪のF組には広州富力(中国)、浦和のG組には北京国安(中国)、鹿島のH組にはFCソウル(韓国)が入ることが決まった。

【試合結果 プレーオフ 一次リーグ】

 他のJクラブの先陣を切って、柏が苦しみながらも“一番星”だ。攻めあぐねたまま迎えた延長後半10分、右CKをニアサイドで構えていたレアンドロが死闘に終止符を打つ2点目のヘディング弾。ネットを揺らすと、選手、サポーター、そして吉田監督も喜びを爆発させた。

 「うれしいというよりもホッとしている」。指揮官が全員の思いを代弁した。格下相手に冷や汗をかきながらも、一発勝負を制した。前半8分、こぼれ球を武富が冷静に押し込んで先制。しかし、わずか2分後に絵に描いたようなロングボール一発のカウンターから同点にされた。後半13分にもレアンドロがPKを決めたが、同20分に相手が意表をつくミドル弾で再び振り出しに戻った。日本勢の対タイ勢はACLとなった02~03年以降20試合でわずか1敗(13勝6分け)。それが12年3月7日、ACL初参戦の柏がブリラムに敗れた試合だった。初のプレーオフとなる今回も凶兆データにのまれる可能性もあったが、120分で47本のシュートを放ち、最後に執念を実らせた。

 “急ピッチ調整”で本大会切符を獲得した。吉田新監督の下、始動からわずか4週間。オフシーズンには先制点を挙げた武富らユース監督を務めた時の教え子を呼び戻すと、初日からボールを使った練習に時間を割いた。「もう2週間欲しかったけど、やるしかなかった」と指揮官。フィジカル中心のメニューでじっくり仕上げるのが一般的だが、あえてボールを使う練習を増やしながらコンディションを高め、戦術や連係も“突貫工事”。4―3―3の攻撃布陣の精度を高め、相手の対策を度外視。自らのスタイルを固め、何とか一発勝負に間に合った。

 ハーフタイム、そして試合後にも「ゴールを決めないと試合は終わらない」と指揮官は注文を付けたが、主将の大谷は「時間がたてば柔軟性も増していくと思う」と、新たなスタイルに伸びしろを実感している。13年の本大会で4強に進出した柏が、初のアジア王者へ第一関門を突破した。 

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