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代表新監督契約6月先送りも “引き抜き”違約金回避へ

[ 2015年2月15日 05:30 ]

日本代表次期監督候補のラウドルップ氏。代理人「日本代表は重要」と注目発言がされた

 日本協会が、選定作業を進める次期日本代表監督との契約開始時期を6月に先送りする可能性が出てきた。5人程度に絞り込んだ後任リストの中には元デンマーク代表ミカエル・ラウドルップ氏(50=カタール1部ラフウィヤ監督)を筆頭に契約を残す監督が複数おり、違約金の発生を回避するために早い段階で内定だけ取りつけ、采配スタートを6月にするプランが浮上している。

 難航する監督人事をスムーズにする新プランが浮上した。日本協会は3月27日の親善試合チュニジア戦(大分)までの新監督決定を目指しているが、契約の開始時期を先送りする“妥協案”が判明。日本協会幹部は「欧州では既に来季に向けて動いているので3月から指揮できる監督との交渉は簡単ではない」と説明し、違約金が発生しなくなる6月まで契約を待つ可能性について「ケースバイケース。交渉は生ものだから」と語った。

 日本協会は後任候補を5人前後まで絞り込んでいるが、本命のラウドルップ氏がラフウィヤとの契約を6月末まで残すなど現職の監督が複数入っている。“引き抜き”には違約金が必要だが、契約満了を待てば年俸だけで済む。欧州や中東は5月にシーズン最終戦を迎える国が多く、6月末まで契約を残していても6月初旬から新たな仕事に就くことに支障はない。早い段階で就任内定を取りつければ、日本が6月のW杯アジア2次予選に監督不在で臨む最悪の事態も避けられる。

 ラウドルップ氏の代理人を務めるツツムル氏は13日、6月までのラフウィヤとの契約を最優先する意向を示した上で「あらゆる可能性を探りたい。ラウドルップ氏は日本をよく知っており、日本代表は重要だ」と注目発言を行った。契約満了後なら交渉の用意があることを強調しており、6月から始まる契約のオファーを出せば、交渉が順調に進む可能性は高い。

 一方で6月就任なら、ぶっつけ本番でW杯アジア2次予選に臨まなければならないため協会内には慎重論もある。元ローマ監督のスパレッティ氏、イラン代表監督のケイロス氏、前ポルトガル代表監督のパウロ・ベント氏、パルメイラス監督のオリヴェイラ氏ら他の候補とも交渉を進め、あくまで3月就任を目指す可能性もある。関係者によると、欧州で交渉中の霜田技術委員長からは技術委員6人の共有メールに「交渉難航」を伝える文書が届いたという。就任即W杯予選のリスクをどう捉えるのか。日本協会が重大な決断を迫られている。

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2015年2月15日のニュース