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ファンハール“愛弟子”と執念ドロー ディマリア配置転換が呼んだ同点弾

[ 2014年10月28日 11:25 ]

試合前、言葉を交わすモウリーニョ監督(中央左)とファンハール監督(中央右)(AP)

プレミアリーグ マンチェスター・ユナイテッド1―1チェルシー

(10月26日)
 師弟対決は引き分けに終わった。名門再建を託されたルイス・ファンハール監督(63)率いるマンチェスター・ユナイテッドは26日、ホームでジョゼ・モウリーニョ監督(51)の首位チェルシーと1―1で引き分けた。ファンハール監督がバルセロナを率いた97~00年に、モウリーニョ監督はアシスタントコーチを務めており、両者の直接対決は10年の欧州CL決勝以来2度目。ともに欧州制覇を果たしている名将のプレミアリーグ初対決に迫った。
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 4分が表示された後半ロスタイムの4分目。1点を追うマンチェスターUのFWファンペルシーがFKのこぼれ球を押し込むと、ファンハール監督は右手でガッツポーズ。「選手は最後までよく走ってくれた」と土壇場での同点劇を喜んだ。対照的にチェルシーのモウリーニョ監督はぶ然。それでも、試合後は“師匠”に歩み寄って抱き合い、健闘を称え合った。

 ファンハール監督が、バルセロナ時代に自身の片腕だったモウリーニョ監督と対戦するのは10年の欧州CL決勝以来。当時率いたバイエルンMはインテル・ミラノに0―2で敗れ、かつての“弟子”に2度目の欧州制覇で先を越された。1618日ぶりの直接対決を前に「互いのプレーは分かっているから、戦術バトルにならないだろう」と語っていたが、後半8分の失点は敵将に自軍の弱点を突かれた形だった。

 相手CKからFWドログバに頭で先制点を許した。1メートル89の大型選手をマークしていたのは1メートル73のDFラファエウ・ダシウバ。身長16センチ差では空中戦に勝てるはずがなかった。「ラファエウは良いDFだが、身長が低い。しかし、他に選択肢がなかった。うちはいつも相手より(平均身長が)低い」とファンハール監督。その弱点を「自分より優秀かもしれない」と認める“教え子”が突いてくることは想定内だ。だからこそ試合前とハーフタイムに「簡単にCKを与えるな」と注意を与えていたが、前半だけでCK6本を許し、7本目は防ぎきれなかった。

 一方でファンハール監督の采配が同点劇につながった。今季加入後、初めて2列目の右サイドで起用したディマリアを後半から左サイドに配置転換した。マッチアップした相手右サイドバックのイバノビッチは、ディマリアの突破を止めようとして反則を繰り返し、後半20分に続いて同ロスタイムにも警告を受けて退場。直後のFKから同点ゴールが生まれた。

 「チェルシーの快進撃は続くだろう。我々とは状況が違う」。今季就任して再建に着手したばかりのチームでモウリーニョ体制2季目で今季無敗の首位と引き分けたのは十分とも言える。次の直接対決は来年4月18日。約半年で名門をどこまで立て直せるか。その手腕が試されることになる。

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