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久保「感覚で打った」開幕ゴール!柿谷へ宣戦布告「負けたくない」

[ 2014年7月21日 05:30 ]

ヤングボーイズでプレーする久保裕也

 リオデジャネイロ五輪、さらにはW杯ロシア大会のメンバー入りが期待される若武者が躍動した。スイス1部リーグが19日に開幕し、ヤングボーイズに所属するFW久保裕也(20)がいきなり今季初ゴールを決めた。アウェーのザンクトガレン戦にフル出場し、0―1の前半23分に同点弾。試合は2―2で引き分けた。C大阪からバーゼルに移籍した日本代表FW柿谷曜一朗(24)は敵地のアーラウ戦でベンチ外だった。

 ストライカーならではの嗅覚だった。相手DFから消える動きでマークを外すと、久保は一瞬でゴール前中央に飛び込んだ。そして左サイドからのクロスを左足で合わせ、右隅に流し込む同点弾。チームの今季初得点を記録した。

 「感覚で打ったシュート。もっと良いプレーをしないといけないけど、まずはフル出場できて良かった」

 欧州挑戦1年目の昨季はリーグ戦で7得点5アシストと活躍し、欧州リーグ出場圏の3位に入る原動力となった。だが、出場34試合で先発は5試合だけ。今季はレギュラー奪取と15得点以上をノルマに掲げた。その第一目標だった「開幕スタメン&ゴール」の両方をクリアし「目先の小さな目標は達成できた」と安どの表情を見せた。

 強気な姿勢もストライカーらしい。W杯メンバーの柿谷が鳴り物入りでバーゼルに加わったが、物おじしない。「意識しないけど同じFWとして負けたくない。(直接対決の)8月31日が楽しみ」。開幕弾は柿谷への“宣戦布告”にもなった。

 左右どちらからでも放てる正確で強烈なシュートが持ち味。そこに毎日の体幹トレで4~5キロ体重が増えたことで、屈強な外国人選手にも当たり負けしなくなった。J2京都に在籍していた高校3年時の12年2月に初めてA代表に招集された逸材は、海外2年目を迎えてたくましさを増した。

 日本代表はW杯で1トップが固定できず、1次リーグ敗退の一因になった。リオ五輪世代の久保は「毎日、毎試合に全力で取り組むだけ」とまずはチームで結果を出すことに集中しているが、活躍が続けば新生日本代表への招集も近づいてくる。日本サッカー界が抱える長年のストライカー不足。久保はそれを解消するピースになり得るだけの可能性を秘めている。

 ◆久保 裕也(くぼ・ゆうや)1993年(平5)12月24日、山口市出身の20歳。京都U―18だった10年に京都の2種登録となり、11年にJ2でJリーグデビュー。13年にヤングボーイズ移籍。U―16など各カテゴリーで日本代表に招集され、12年にA代表初招集。1メートル78、72キロ。利き足は右。

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2014年7月21日のニュース