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ザック監督 W杯は「状態良い選手を」急成長・山口が定位置確保も

[ 2014年2月28日 05:30 ]

報道陣の質問に笑顔で答えるザッケローニ監督

 日本サッカー協会は27日、3月5日に国立競技場で行うニュージーランドとの親善試合に臨む日本代表メンバー23人を発表した。アルベルト・ザッケローニ監督(60)は6月に開幕するW杯ブラジル大会の最終メンバー選考に関して過去の実績は度外視することを宣言。MF長谷部誠(30=ニュルンベルク)主将が負傷欠場する中、急成長を続けるMF山口蛍(23=C大阪)が本大会で定位置を確保する可能性を示唆した。

【日本代表メンバー 日程】

 代表メンバーの発表会見。右膝半月板負傷で招集を見送られた長谷部について質問されたザッケローニ監督は、イタリア独特の言い回しを用いて周囲の不安を一蹴した。

 「Da cosa nasce cosa」

 直訳すれば「あることから、また違うものが生まれる」。日本語に置き換えるなら「災い転じて福となす」になる。長く遠藤とボランチを組んできた主将の離脱は痛いが、代わりに他の選手を起用するチャンスが生まれる。その筆頭候補が「昨季いいプレーをしてくれた」と称えた山口だ。指揮官は同じく負傷離脱中の内田も含め「W杯まで時間が少ないので招集できないのは残念」とした上で「逆に違う選手を見るチャンスがあるということ」と不敵に笑った。

 山口は国内の若手中心で臨んだ昨年7月の東アジア杯で初招集。広い守備範囲とボール奪取能力などが認められ、10月と11月の欧州遠征にも招集された。11月のオランダ戦、ベルギー戦ではいずれも先発。実力を示し、ザッケローニ監督ばかりか今や欧州での評価もうなぎ上りとなっている。あるイタリア人の代理人は「チームによっては柿谷より評価は上」と証言。フィオレンティーナが興味を示しているという情報もある。

 指揮官は注目される本大会に臨む最終メンバー23人の選考について「過去の実績をベースに選びたくはない。状態の良い選手を選ぶ」と宣言。山口が長谷部不在の間に好プレーを続ければ、本大会でこれまでの立場が急変する可能性もある。34歳の遠藤もJ1開幕を控えて左足首を痛めるなど万全ではなく、長丁場のW杯でフル回転できるか不安を残す。今や日本屈指のボランチに成長した山口が、最終メンバー候補を飛び越え、ザックジャパンの本大会での先発候補に一気に躍り出た。

 ◇山口 蛍(やまぐち・ほたる)1990年(平2)10月6日、三重県生まれの23歳。C大阪U―15、同U―18を経て09年にトップ昇格。12年のロンドン五輪は全試合フル出場で4位躍進に貢献。昨季はリーグ戦34試合6得点。国際Aマッチ通算8試合無得点。1メートル73、72キロ。利き足は右。

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