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関塚ジャパン A代表優先で“切り札”香川招集は幻に…

[ 2012年5月19日 06:00 ]

記者会見でトゥーロン国際大会のメンバーを発表する、U―23男子日本代表の関塚監督

トゥーロン国際大会メンバー発表

 ロンドン五輪で44年ぶりのメダル獲得を目指すU―23日本代表が日本代表のエース・香川真司(23=ドルトムント)を本大会に招集できないことが18日、確実となった。日本サッカー協会は6月に開幕するW杯アジア最終予選を最優先することを掲げ、この日あらためて五輪への香川招集に難色を示した。五輪前哨戦となるトゥーロン国際大会(23日開幕)もA代表優先により、ベスト布陣にはほど遠いメンバーとなった。

 関塚ジャパンの最強の切り札は幻になった。北京五輪も経験した香川の五輪本大会への招集は、メダル獲得への最後の一手だった。ブンデスリーガ2連覇に貢献し、ザックジャパンでも10番を背負うエース。だが、五輪よりもW杯アジア最終予選を優先させるという日本協会の方向性は変わっていなかった。

 この日はトゥーロン国際大会のメンバー20人が発表され、会見に臨んだ関塚監督には香川を五輪本大会に呼ぶ意思があるのかという質問が飛んだ。すると、日本協会の原技術委員長が質問に割って入った。そして「(移籍により)休暇が取れるか、ケガを抱えていないかなど、9月(のW杯アジア最終予選)に続くいろんなことを考えているところ」と香川をA代表に専念させることを示唆するような言葉を発した。最後は「(五輪に)呼ぶか呼ばないか決めていない」と濁したが、これには関塚監督も黙っていられなかった。「そのときのベストのチームをつくる」と言いながらも「(香川を)呼びたいと思っている」と本音を漏らした。

 トゥーロン国際大会はU―23日本代表で主力の清武、酒井宏が不在。6月にW杯最終予選が控えているため招集できなかった。クラブから招集可能の返答を得ていた宮市もA代表に吸い取られた。大津や宇佐美、酒井高ら5人の欧州組が招集できたものの、五輪前哨戦となる大会ながら厳しいチーム編成となった。本大会はどんなチームになるのか。メダル獲得を目指す関塚ジャパンだが、メンバー選びでも厳しい戦いを強いられることになった。

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2012年5月19日のニュース