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関塚ジャパン、秘策“トリック”でクウェートかく乱!

[ 2011年6月17日 06:00 ]

スローインからの攻撃練習する吉田(左端)ら

U―22日本代表合宿

(6月16日)
 “関塚トリック”でクウェートを惑わせる。U―22日本代表は静岡合宿最終日の16日、スローイン練習を行い、おとりを使ったパターンの連係を確認した。MFが投げるふりをしてサイドバック(SB)にボールを渡し、守備の裏に走り込む。引いて守るクウェートの守備をかく乱するための秘策だ。U―22日本代表はこの日、愛知県内へ移動。19日にホームで迎える第1戦へ向けて戦闘モードに突入した。
【U―22試合日程 メンバー】

 新しい武器は“おとり”だった。この日のスローインの練習で関塚監督が動きを伝授した。まずタッチライン上のMF清武がボールを投げ入れるようなフェークモーションを入れて、同じくライン上に立っているDF酒井宏にボールを渡す。酒井宏がスローインを行う間に、清武はDFライン裏に猛ダッシュ。酒井宏からボールを受けた選手が、走り込んだ清武にはたく。パスを受けた清武はフリーでゴール前に攻め込む。約15分間、何度も何度も繰り返した。

 「スローインの練習は1週間の間(合宿)でやろうと思っていた。(オプションとして)クウェート戦でも対応できるように」と指揮官はクウェート戦用の戦術であることを示唆した。

 クウェートは引いて守ることが予想される。必然的に相手のクリアが多くなり、日本は敵陣深くでのスローインが増える。そのチャンスを生かさない手はない。スローインでは一瞬集中が途切れる。“おとり”を使えば、クウェートのマークを混乱させることができる。またそういう策があると思わせるだけでも、相手には迷いが生まれる。ゴール前に人数を割くクウェートの守備に穴を開けるには有効な作戦だ。

 ザック式スローインの進化形でもある。昨年12月の日本代表合宿でザッケローニ監督は約1時間をスローイン練習に割いた。その中に「MFが投げるふりをしてから、素早く実際の投げ手であるDFにボールを渡して混乱を誘う形」があった。A代表コーチを兼務する関塚監督は、1度ボールを他の選手に当てるアレンジを施し、新兵器を編み出した。

 投げ手の酒井宏は「やったことなかったので、びっくりしました」と練習に驚きを隠せなかったが「細かいところが勝敗を分けるので、機会があればやりたい」と前向き。おとり役の清武も「オプションの1つ。相手は戸惑うので武器になると思う」。FW永井は「受け方の問題。変に(ボールを)失わないようにすること(も大事)」と注意点を付け加えたが、それも実戦で使うイメージができた証と言える。

 静岡合宿を打ち上げた関塚監督は「順調にトレーニングをこなせた。ホームでの第1戦は主導権を握って勝ちに行く」と力強く話した。“関塚トリック”を引っさげ、決戦の地、豊田に入った。

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