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香川に負けん!乾弾でC大阪暫定2位浮上

[ 2010年8月22日 06:00 ]

<鹿島・C大阪>前半、C大阪・乾(右)と競り合う鹿島・小笠原

 【C大阪1―0鹿島】一瞬のすきを見逃さなかった。0―0のまま迎えた後半10分だ。右サイドバックの高橋がMF家長とのダイレクト・ワンツーで右サイドを抜け出すと、乾はそのパスが飛び交う間を走りだしていた。

 そのまま乾は、高橋が出したゴール前右へのパスを追いかけるように駆け上がり、角度のない位置からこん身の右足シュート。クロスを警戒して逆を突かれた相手GK曽ケ端は左手を出すのがやっと。強烈なシュートはその左手をはじき飛ばしてゴール右隅へと突き刺さった。
 「GKはセンタリングを意識してたので、ニアに決めるのは好きですね。いい形で抜け出せたので、抜け出した時点でシュートを打とうと思った。ほぼアントラーズの試合だったんで、ラッキーでした」。王者・鹿島に押し込まれる展開の中、7月31日のアウェー磐田戦以来となる今季3得点目が決勝ゴールに。その磐田戦以降、チームは1分けを挟んでこれで4連勝となっただけに、おのずと乾の顔もほころんだ。
 横浜から移籍した08年6月から2年間、コンビを組んできたMF香川がドイツ・ドルトムントに移籍。その香川が、19日の欧州リーグ予選プレーオフ第1戦のカラバグ(アゼルバイジャン)戦で2ゴールを挙げた。ともにチームをJ1昇格に導いた同世代の元チームメートの活躍が刺激にならないはずがない。「同い年だし(香川の)活躍はメチャクチャうれしいです。もちろん自分も目指すところだけど、まだそのレベルにいっていない。まずチームで頑張らないと」。目指す先には香川と同じ海外挑戦がある。ここしかないという場面できっちり結果を出したのも、香川の奮闘への対抗心の表れだった。
 今年3月に結婚し、7月8日に生まれた長男の皓貴(こうき)くんとは今月10日に初対面したばかり。せっせとオムツも替える良きパパは、愛息の成長も大きなモチベーションだ。「チームはいい方向に向かっている。毎試合、どれだけ走り切れるか。次も勝ち点3を取りたい」。チームはこれで勝ち点を36とし、得失点差で暫定2位に浮上。もう、勢いだけとは言わせない。

 ≪前節のC大阪≫FC東京と対戦。前半4分、アドリアーノが先制。後半5分には高橋が今季3点目。同35分には黒木の今季初ゴールで3―0。1点返されたが、同42分に石神が決めて4―1で快勝。

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2010年8月22日のニュース