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小倉新会長GOサイン!ビエルサ監督口説く

[ 2010年7月26日 06:00 ]

新体制を発表した(左から)田嶋幸三副会長兼専務理事、大仁邦彌副会長、小倉純二会長、大東和美副会長

 日本サッカー協会は25日、東京都文京区のJFAハウスで評議員会、理事会を行い、小倉純二副会長(71)の会長就任を正式に決定した。小倉新会長は次期日本代表監督の選考に関して大仁邦弥副会長(65)、原博実強化担当・技術委員長(51)に全面的に任せる方針を示した。すでに極秘でチリに入っている原委員長は一両日中にも、本命のチリ代表マルセロ・ビエルサ監督(55)との交渉に入る。

 小倉新会長が最重要課題に挙げたのが次期日本代表監督の選考だった。会見では「まず第一に次の監督を決めること。早く手を打っていきたい。技術担当の大仁副会長と原技術委員長を全面的に信頼しています。私は2人に任せます」と、犬飼前会長の下で進めていた選考作業を継続する方針を示した。そして「22日に原委員長に電話で話しました。“どんどんやってくれ”と言っています」と、原委員長に対し交渉のゴーサインを出したことを明かした。
 原委員長の作成した次期代表監督候補のリストでは、W杯南アフリカ大会でも攻撃的なサッカーを展開し高い評価を得たチリ代表のビエルサ監督が最上位に位置づけられているが、小倉体制下でもビエルサ監督を本命として選考を進めていく。
 原委員長はこの日、新たに理事に選任されたが、理事会は欠席した。小倉会長は「原委員長?今いろいろ回ってるんじゃない」と明言を避けたが、実はすでに極秘でチリに入国している。日本協会の役員人事に配慮して交渉を自重していたが、小倉会長からお墨付きをもらったことで、一両日中にもビエルサ監督サイドとの本格的な交渉に入ることになる。
 ビエルサ監督はW杯で敗退後に、チリ協会から15年まで5年間の契約延長を提示されたが、条件面で合意できていない。チリ協会のマイネニコルス会長は現在海外に出張しているが、近く帰国し29日にもビエルサ監督と再交渉するとの報道もある。小倉会長も「向こうも交渉中だから。分からないけど(チリ代表監督を)続けそうじゃないの」と交渉が簡単でないことは承知しているが、まずはアタックして誠意を示すことになる。
 原委員長は、ビエルサ監督との交渉が不調に終わった場合に備えて、チリから欧州に渡るプランも持っている。欧州ではリストアップしている前マジョルカ監督のマンサーノ氏らと交渉することを検討している。
 日本協会の役員人事のためストップしていた次期日本代表監督問題が最終局面に入ってきた。

 ◆小倉 純二(おぐら・じゅんじ)1938年(昭13)8月14日、東京都生まれの71歳。早大卒。古河電工のロンドン駐在員、サッカー部長などを経て、90年から一貫して日本サッカー協会の国際業務に従事した。92年に日本協会専務理事。02年W杯は日本招致委員会事務局長、日本組織委員会事務総長代理などとして成功に尽力した。98年から日本協会副会長、02年から国際サッカー連盟理事を務める。
 ◆マルセロ・ビエルサ 1955年7月21日、アルゼンチン生まれの55歳。98年にアルゼンチン代表監督に就任し、02年W杯日韓大会は1次リーグで敗退。兼任したU-23代表で、04年アテネ五輪で金メダルを獲得した後、辞任した。07年8月にチリ代表監督に就任。チームを98年フランス大会以来3大会ぶりにW杯へ出場させ、本大会で16強に導いた。
 ◆グレゴリオ・マンサーノ 1956年8月5日、スペイン生まれの53歳。高校教師だった24歳の時に学校のクラブチームを率いて指導者になる。99~00年からバリャドリードを指揮。00年以降はサンタンデル、マジョルカ、アトレチコ・マドリードなどを率いた。バリャドリード監督時代の00年にFW城彰二を指導。06年1月にマジョルカ監督に復帰し日本代表FW大久保も指導した。

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2010年7月26日のニュース