×

背番号9の仕事!大迫、出場1分でV弾

[ 2010年3月21日 06:00 ]

<大宮・鹿島>後半38分、決勝ゴールを決めて喜ぶ鹿島FW大迫勇也

 J1第3節第1日の20日、鹿島はFW大迫勇也(19)の今季初ゴールで大宮に1―0で勝った。大迫は後半37分から途中出場すると、1分後にFWマルキーニョス(33)からの右クロスを右足で押し込み、ファーストタッチで決勝点を決めた。今季から背番号9を背負う2年目のストライカーが、定位置獲りへ猛アピールした。鹿島は今季公式戦6戦無敗を守った。

【試合結果


 これまでのうっ憤を右足に込めた。大迫は後半37分、興梠に代わってピッチに入った。わずか1分後だ。マルキーニョスのグラウンダーのクロスに対してニアへ突っ込むと、右足で相手GKの股を抜いた。ファーストタッチでの決勝弾。ゴール後は兄貴分と慕うDF伊野波の第1子誕生を祝う揺りかごダンスを披露した。「角度はなかったけれど、触れば入ると思った。しっかりと集中して(試合に)入れた。結果を出せば出場時間が増えてくると思った」と表情を緩ませた。

 昨季はFW興梠に代わって先発を勝ち取るなど、リーグ戦22試合に出場して3得点。その実績が認められてエースナンバーへの変更を言い渡された。「(背番号9は)自分でいいのかなと思った」と話していたが、今季はMF遠藤の台頭もあり出場機会が少なくなっていた。公式戦3試合はすべてロスタイムからの出場。「結果を求められてる」と背番号9の重圧がのしかかっていた。

 出場機会の少なかった大迫を支えたのはDF岩政からの助言だった。「試合に出てようが、出てなかろうがやらなきゃいけないことはいくらでもある。日々どれだけやれてるかが勝負。2、3年後に日本一のFWになれ」とゲキを飛ばされた。その言葉を胸に刻んで、練習後も黙々と筋トレに励み、体重は1年目から4キロ増えて、体格は一回り大きくなった。石井フィジカルコーチも「1年目からコツコツやってきた成果」と目を細めた。

 大迫の決勝弾で鹿島は今季公式戦6戦無敗。24日のACLペルシプラ(インドネシア)戦では、この日決定機を外し続けた興梠、マルキーニョスの2トップに代わって先発出場する可能性も出てきた。「ACLでも結果を出して出場時間を増やしていきたい」。ようやく目覚めた大器が、鹿島の攻撃陣を活性化させる。

続きを表示

2010年3月21日のニュース