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W杯新兵器…俊輔が無回転シュート特訓開始

[ 2010年3月10日 06:00 ]

山瀬功治(左から2人目)の前でシュート練習する中村俊輔。無回転シュートの習得へ本格着手した

 横浜の日本代表MF中村俊輔(31)がW杯に向けて、新機軸を打ち出した。Jリーグ復帰後の初戦となるホーム湘南戦(13日、日産スタジアム)に向けた9日の練習で、無回転シュートの習得に本格着手。約25メートルの距離から左足で何度も不規則に変化するボールを蹴り込んだ。得意のFKはもちろん、流れの中でも使える新たな武器を磨き、得点力不足を抱える岡田ジャパンを救う。

 揺れて不規則に変化するボールが何度もネットを揺らした。9日の最後に行われたシュート練習。中村が約25メートルの距離から左足で何度も無回転シュートを繰り出した。止めて蹴るFKのような形式から、ボールを持ち出して左足を振る流れの中のイメージまで複数パターンを敢行。「(練習は)自分を発見する場所なので、無回転とかブレ球を蹴ってみた。いろいろな可能性を探りながらやっている」と試行錯誤の段階であることを強調したが、本番でも十分に通用する精度だった。

 W杯南アフリカ大会公式球でJリーグ公式球でもあるアディダス社の「ジャブラニ」は6枚の皮革で作られている。形状はより真球に近くシュートは不規則に変化しやすい。ボールの進化もあり、近年、無回転シュートはC・ロナウド(ポルトガル)をはじめとする世界基準の選手にとっては必須ともいえる武器となった。中村は昨年末の帰国時に初めて「ジャブラニ」を蹴り「こすり上げるよりも押し出す方が良い。思ったより無回転で行く」と手応えを感じ、無回転シュートの習得に本格着手する覚悟を固めたようだ。

 日本代表はW杯イヤー突入後、6試合9得点と深刻な得点力不足を抱えている。W杯1次リーグで同組となったカメルーン、オランダ、デンマークから勝機を見いだすためには新たな武器が不可欠だ。中村が無回転シュートを習得すれば、得意の直接FKのバリエーションが増えるだけでなく、流れの中での脅威も増すだけに、岡田ジャパンの攻撃の幅は格段に広がることになる。

 中村は32歳で迎える自身2度目のW杯を「最後になるかもしれない」と集大成の舞台と位置づけている。あこがれのスペイン挑戦を志半ばであきらめたのも、万全の状態で南アフリカに乗り込むためだった。横浜復帰後も「スペインとかチャンピオンズリーグとかのイメージを残しながらプレーしたい」と世界トップのイメージを頭に描きながら練習を続けている。無回転シュート習得という新たなチャレンジ。向上心を失うことのないレフティーは、Jリーグ復帰後も進化を続ける。

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2010年3月10日のニュース