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“新潟劇場”再演!またロスタイム弾

[ 2009年4月26日 06:00 ]

<大宮・新潟>後半ロスタイム、先制ゴールを決めた新潟のマルシオ・リシャルデス(左)はチームメートと喜び合う

 【新潟1-0大宮】またロスタイム弾だ。3位の新潟は大宮に1―0で勝って2位に浮上した。後半ロスタイムにCKからMFマルシオ・リシャルデス(27)が鮮やかな決勝点を決めた。昨季まではホームでは強いのに、アウェーではなぜか勝てない“内弁慶”だったが、今季の新潟の強さは本物だ。首位の鹿島は山形と1―1で引き分けて3位に後退した。

【試合結果


 またしても劇的V弾で勝負を決めた。0―0のまま突入した後半ロスタイム。表示された時間は5分。それだけあれば十分だった。約2分すぎに得た左CK。キッカーのMFマルシオ・リシャルデスが、ショートコーナーで出したボールのリターンを受け、右足を振り抜く。緩やかなカーブがかかった弾道はファーポストのゴール右隅に決まった。
 「いいキックができた。(ショートコーナーで)相手を引き出して中(ニア)に入れると思わせておいて、裏をかいたボールを送ったんだ」

 4日のホーム横浜戦でもFW矢野が後半ロスタイムに決勝点を決めた。“新潟劇場”の再演。ふだんは冷静なブラジル人助っ人も興奮を抑え切れず、新潟から駆け付けた約2200人のサポーターの前へと走った。試合後にも大歓声に応え、渡された拡声器を手に日本語で「アリガトウ」と満面の笑み。「リーグの中でトップを狙えるところでの勝利。みんなと喜びを分かち合いたかったんだ」と言葉を弾ませた。

 値千金弾はチームにとってJ1アウェー通算100ゴールだった。昨季はわずか2勝しか挙げられなかった敵地で、今季は4試合で2勝(1分け1敗)に到達し、その“内弁慶”ぶりを打ち破っている。今季からフィジカルコーチが日本人に代わり、より深くコミュニケーションをとりながらコンディション調整ができるようになった。さらに昨季リーグ最少だった得点力がFW大島らの加入により改善されたことで、DF陣には「守っていれば点を取ってくれる」という信頼感が生まれた。それが敵地でも“戦える”自信となり、最後まであきらめない姿勢を生み出している。

 「内容的には良くなかった」。試合後の鈴木監督は厳しい表情のままだった。だが、そんな中でも勝利を手にし2位に浮上した新潟。勢いだけではない本物の強さで今季のJリーグを盛り上げ続ける。

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2009年4月26日のニュース