×

“決定力不足”解決できぬまま本番へ

[ 2008年5月28日 06:00 ]

<日本・パラグアイ>後半、指示を出す岡田監督(左)

 【日本0―0パラグアイ】6月のW杯アジア3次予選4試合に向けた最後の強化試合。スコアレスドローに終わったものの、岡田ジャパンは初タイトルを手にした。「いろんなテストを重ねてやっている中で、どんな選手が出ても最低限のことはできるのが分かった。(今大会の目的は)チームのベースをつくることだったが、手応えを感じている」。岡田監督は一定の満足感を口にした。

 この日は大胆なメンバー編成で臨んだ。1―0で勝利を収めたコートジボワール戦から中2日。「一度やってみないと分からないから」と先発を7人も入れ替えた。4月の代表候補合宿から一貫して言い続けてきたのは「全員守備、全員攻撃」。それを徹底させるためにミーティングでは、コートジボワール戦のVTRを見ながら1プレーごとに良かった点、問題点をチーム全体で復習。この日はチーム全体にそれが浸透しているか確認する場でもあった。だが、相手が引き気味で来たため、高い位置でボールを奪う場面は少なかった。ボールは保持できたが、シュートは4本だけ。「DFラインの裏を取れずに、じれったい展開だった」と振り返った。

 パラグアイは“仮想・中東”だった。岡田監督は試合前日の練習でロングボールに対するポジショニングの確認などを行ったが、闘莉王、寺田らはしっかり対応できた。だが、最大の課題である攻撃面は最後まで結果を出せなかった。「松井を入れて、少しは(DFの裏を)取れるようになったが、点を取りにいって取れなかったのは残念」。後半は松井を筆頭に攻撃的な選手を中心に交代枠いっぱいの6人を送り込んだが、堅守でなる南米の壁は切り崩せなかった。

 テストと位置づけた2試合は終わった。中村、松井、長谷部の欧州組が加わり、攻撃力はアップしたはずだが、終わってみれば2試合で1得点。28日にはW杯3次予選の代表メンバーが発表される。引き分けさえ許されない6月2日の決戦まで、いかにして得点を奪うかが最大のテーマとなる。

続きを表示

2008年5月28日のニュース