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リオ五輪 市内各地で開催反対デモ 治安部隊は催涙弾も…

[ 2016年8月7日 05:30 ]

催涙弾を浴び手当てを受けるデモ参加の女性

リオデジャネイロ五輪開会式

(8月5日 マラカナン競技場)
 リオデジャネイロ五輪の開会式が開催され、大会が本格的に始まった5日(日本時間6日)、市内各地で五輪開催に反対するデモが発生した。

 華やかな開会式が行われていたマラカナン競技場近くでは、デモ参加者が数百人に膨れ上がり「五輪はいらない」「(市民と)かけ離れた大会だ」と声を上げ続けた。地元メディアによると、「五輪は企業の利益のための祭り」「病院も学校もない」と書いた幕を掲げるものもいた。

 怒声が激しくなる一方のデモ隊に、治安部隊が催涙弾を発射。デモ参加者の中には負傷者も出た。ある目撃者は、興奮した様子で「警官はどんどん高圧的になり、催涙弾を投げた」と話した。あたりは涙を流す人たちで埋め尽くされた。一部ではブラジル国旗と五輪旗を燃やす騒ぎも起きた。

 デモに参加した男性教師アレサンドロ・パシェコさん(39)は「医療、教育、交通に予算が回っていないのに、どうして五輪にはお金が出せるのか」と憤った。

 ガスマスクを着けて顔を隠し、腕を組み合って行進する若者らの姿もあった。競技場から約1キロの公園では重武装した治安部隊とデモ隊のにらみ合いに発展。ここでも治安部隊が催涙弾を発射し、呼吸困難になって倒れる参加者も出た。近くの地下鉄駅が封鎖されるなど、周辺は一時騒然となった。

 観光地コパカバーナの海岸でもデモが発生。五輪関係者らしい人を乗せた車両が通ると、大勢の参加者が取り囲んだ。失業中のエリカ・ドスサントスさん(47)は「ブラジルの医療は劣悪だ」と声を荒らげた。

 各競技のチケットは高額で、まだ大量に余っていると報じられている。プレミアのはずの開会式のチケットも、開催前日に正規のチケットブースで購入できる状況だった。ただ、1枚日本円で5万円近くするなど、庶民には手が出ない状況だ。競技が本格化するに連れ、デモもさらに過激化していく可能性もある。

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2016年8月7日のニュース