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皆川 妻・愛子の“完全燃焼”を称賛「尊敬します」

[ 2014年2月10日 05:30 ]

上村に労いの言葉を送る皆川

フリースタイルスキー女子モーグル決勝 上村4位

(2月8日 ロザフータル公園)
 上村愛子の夫で、今季限りでの現役引退を表明している男子アルペンスキーの皆川賢太郎(36=ドーム)が9日、都内で取材に応じた。前回大会に続く夫婦出場の夢はかなわなかったため、妻の五輪を初めて国内で観戦。結果は自身の五輪最高成績と同じ4位だったが、完全燃焼した人生のパートナーに称賛とねぎらいの言葉を贈った。

 皆川は所属チームの仲間と東京・六本木に準備した大スクリーンで生観戦。「涙が出そうになったけど我慢した」。メダルこそ届かなかったが、完全燃焼を果たして4位に入った妻に対して「今の上村愛子には十分。全てに対してよく頑張った」と絶賛の言葉を並べた。

 09年6月に結婚。私生活のパートナーであり、アスリートとしても互いに尊敬し合い、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。前回の10年バンクーバー大会に続いての夫婦での五輪出場はかなわなかったが、決勝のレース前には日本からメールで激励。「とにかく集中して。コースとコブに向き合って自分のパフォーマンスを」と送ると、妻からは「いい状態です。自分の中では前とは違う感情で大会を迎えられている」と返信があった。レース後には「最高だったよ。凄くいいレースだった」と送信。すぐに「一番最後に最速(タイム)でできた。それができたことが満足しています」と返ってきた。

 自身も06年トリノ五輪の回転で3位と0秒03差でメダルに届かなかった。これで2人の五輪は終わり、最高成績は夫婦そろって4位。「一国民としてメダルは獲ってもらいたかったけど、いい五輪になったと思います。バンクーバー後に休憩し、もう一度モーグルがやりたいという思いになった3年間。その中でメダル争いができたのは尊敬します。本当にいい滑りだった」。2人で歩んだ五輪ロードに最後までメダルはなかった。しかし、手にしたものはそれ以上の価値があったことは間違いない。

  ◆皆川 賢太郎(みながわ・けんたろう)1977年(昭52)5月17日、新潟県出身の36歳。冬季五輪は98年長野から4大会連続で出場。回転で06年トリノ五輪4位となり、アルペン種目の日本勢で50年ぶりに入賞した。09年6月に上村と結婚し、10年バンクーバー五輪は夫婦で出場。今年1月にソチ五輪代表入りの可能性が消滅したため、今季限りでの現役引退を表明した。97年から転戦したW杯は4位が最高、6位4度。1メートル73、85キロ。

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2014年2月10日のニュース