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ロシアの15歳妖精リプニツカヤ1位!一躍金候補に

[ 2014年2月10日 05:30 ]

団体戦女子SPで華麗な演技を見せるリプニツカヤ

フィギュア団体女子SP

(2月8日 アイスベルク・パレス)
 氷に手をつき、雷の音が会場に鳴り響く。珍しいプログラムで、ロシアの15歳が躍動した。演技前から「ロシア!」の大声援がこだまする重圧の中、リプニツカヤが自己ベストを0・66点更新し、女子SPでトップの72・90点をマーク。「普段の試合よりも冷静だった。応援が力になった。焦らずに滑ることができたし、観客も喜んでいたみたいで何よりです」。感情をあまり表に出さず、クールに振り返った。

 冒頭に3回転ルッツ―3回転トーループのコンビネーションに成功すると、ダブルアクセル、3回転フリップとジャンプは全て成功した。最大の見せ場は世界屈指の柔軟性を生かし、3度のスピンは全て最高難度のレベル4を獲得。体と足のラインがほぼ直線になり、「キャンドルスピン」と称されるスピンには大きな拍手が降り注いだ。シニア2シーズン目の15歳ながら表現力を示す5項目の演技点でも浅田に0・31点及ばないだけだった。

 フィギュアスケートの五輪出場には年齢制限がある。それは、五輪前年の7月1日に15歳になっていること。9月生まれの浅田は絶好調時に06年トリノ五輪に出場できなかったが、6月生まれのリプニツカヤは条件をクリアしている。体が軽くジャンプが跳びやすい最高の時期に、自国開催の夢舞台に立てる強運。浅田も「これからスケート界を引っ張っていくような選手だと思う」と話した。五輪デビューで好演技を見せ、さらなる上積みも見込める。リプニツカヤを指導するトゥトベリーゼ・コーチは「団体は責任もある。でも、個人戦に向けて観客に慣れたり環境に順応できるからプラスの面もある」と自信を見せた。日本勢のライバルはキム・ヨナだけじゃない。15歳のクールな妖精が、個人戦の金メダル候補に名乗りを上げた。

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2014年2月10日のニュース