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さあ出陣!条治 悲願の金へ好仕上げ「経験生かす」

[ 2014年2月10日 05:30 ]

最終調整する加藤(手前)と長島

 スピードスケート男子500メートルは10日に行われる。同種目で金メダルを狙う日本の両エース、加藤条治(29)、長島圭一郎(31=ともに日本電産サンキョー)が9日、試合会場のアドレル・アリーナで行われた公式練習に参加。ともに10年バンクーバー五輪でメダリストとなった両雄は悲願の優勝へ、仕上がりの良さをアピールした。

 緊張感漂うリンク。加藤は鋭いダッシュで冷えた空気を切り裂いた。サングラスからのぞく表情が時折緩む。ライバルのモ・テボム(韓国)に話しかける余裕もあった。「しっかり周りを見て(気持ちを)コントロールしている」と落ち着いていた。

 待ち続けた一日がやってくる。その期待感が緊張感を上回っている。10年バンクーバー五輪の500メートルで銅メダルを獲得。その時から金メダルを獲ることだけを考えてきた。4年前は調子を落として五輪本番に臨んだことから、コンディション調整にも工夫を加えた。

 昨季は、五輪が行われるシーズンにピークを迎えるよう追い込みの時期を設定した。W杯から一時帰国した際に沖縄で陸上トレーニングを消化。その結果、7季ぶりに自己記録を更新した。今年も1月は五輪本番を最高の状態で迎えられるようにあえて体をいじめ抜いた。

 1月30日にソチに入ってからも調子は上がっている。3日に五輪会場で行われた記録会では、最終カーブ前からスピードを緩めたため35秒51と平凡な記録で22人中11位。しかし、スタートの感覚、中盤の滑りには手応えがあり「状態は5、6割。まだ本気は出せない。100メートルの中盤の伸びはそこそこあった」と明るい表情で話していた。

 今月6日には29歳の誕生日を迎えた。06年トリノ五輪でも大会期間中に21歳の誕生日があり、報道陣から金メダルをかたどったチョコレートをあしらったケーキを贈られた。しかし、金メダルを期待されながら結果は6位。その時の苦い経験から今回は日本スケート連盟が報道陣に派手なお祝いを自粛するよう要請した。加藤自身も「誕生日返上で頑張ってます」と調整に集中していた。

 「目標は、やはり金メダルを獲ること。だいぶ年も取ってきたし、落ち着いてきているので経験を生かしたい」。1回目の滑走は前回金メダルの牟太?と競う。長年夢見てきた光景を現実にするため全ての力を注ぎ込む。

 ▼バンクーバー五輪スピードスケート男子500メートルVTR 長島は1回目、スタート直後にバランスを崩し35秒108で6位に沈んだが、2回目に34秒876、合計1分9秒98で銀メダルを獲得した。加藤は1回目、第2カーブでバランスを崩しながらも34秒937で3位につけた。2回目は最初のカーブの出口で体が浮いて失速し1回目から0秒14落としたものの銅メダルを確保。整氷車のトラブルで1時間以上もレースが中断するアクシデントを乗り越えて日本勢が2つのメダルを獲得した。

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2014年2月10日のニュース