【飯塚オート 日本選手権】佐藤励がSG2勝目 恩師が授けた“自分のスタート”で有吉辰也狩り

[ 2025年11月3日 18:12 ]

表彰式からガッツポーズで戻った佐藤励
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 SG「第57回日本選手権オートレース」優勝戦が飯塚オートレース場で行われ、佐藤励(25=川口)が逃げた有吉辰也を8周3角で捉えて先頭。そのままゴールに飛び込み、今年のオールスター以来、2度目のSG制覇を果たした。

 8周目、最大の勝負どころが訪れた。前を行く有吉に佐藤が迫る。バックで内から並ぶ。抵抗して前に出かかる有吉。だが、グッと勢いをつけて佐藤が前に出ると、あっという間に2車身、前に出た。決着はあっさりついた。

 川口の仲間が迎える。「やったな!」「すげえよ」。佐藤は言った。「エンジンがやばいっす。スーパーエンジンになりました」

 夢中で走った10周回。集中しすぎて、どんなレースだったか記憶から飛んだ。「もう倒れそうです」。常人離れした集中力を再び、ここ一番で発揮した。

 前回のSG制覇、オールスターの時とは喜びに違いがあった。「あの時はたまたま獲れた。今回は自分の力で獲れた。こんなエンジンつくれるんだなって」

 感謝したい人は多い。家族、師匠の阿部剛士、いつもスタート練習に付き合ってくれる黒川京介。「黒川さんは常にスタート練習でそばにいる。それはもう地獄ですけどね」。自信が過信になりそうな佐藤に、ちょうどいいブレーキをかけてくれる先輩たち。周囲のおかげがあっての日本一だ。

 今回、飯塚へと向かう前、地元・習志野で中2から通うボクシングジムに足を運んだ。会長がこんな話をしてくれた。励よ、パンチとは相手に合わせて出すものではない。自分の間合いで出すものなんだ。オートのスタートも恐らくそうだ。相手を気にするからうまく決まらない。相手への意識を消し、自分のスタートに集中すれば、おのずと決まるはずだ。

 自分だけに意識を集中して切ったスタートは3番手。だが、4周目で2番手に上がり、8周目で有吉をパスした。勝つための理想的なスタートだったとしか思えない。恩師の言葉が頂点へと導いてくれた。

 「泣きたいけど…涙が出ないんです。苦労が足りませんね」。そうではない気がする。やるべきことをやり、獲るべくしてとった。だから涙はないのだ。佐藤励。オートレースの顔となるべき男が大きくステップアップを果たした優勝劇だった。

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