【前橋競輪ミックスゾーンリポート】精神的にも四国を支えた小倉竜二 その言葉には重みがあった

[ 2025年10月26日 21:10 ]

優勝した嘉永泰斗(中央上)を祝福する(左から)東矢圭吾、松本秀之介、伊藤旭
Photo By スポニチ

 現在、競輪の取材はコロナシフトのままで制限が多い。そんな中でもレースだけではない、競輪の人間臭さや、選手の何気ない一面を少しでも伝えたい。そんな思いから本紙記者がミックスゾーンで見た、聞いた、感じた話を「ミックスゾーンリポート」と銘打って自由気ままに書かせてもらう(不定期配信)。

 第5回は前橋競輪場で行われ、嘉永泰斗(27=熊本・113期)が優勝したG1「第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」だ。

 前検日は選手用駐車場にG1らしく、高級車がずらっと並んだ。ひときわ目立つ青いスポーツカーで登場したのは真杉匠(26=栃木)。アップに使う器具や、ケアグッズが入った大荷物を横に置き、入り口の階段前で松井宏佑(33=神奈川・113期)に「ほら、持ってください」と一言。それに対し松井は「脚を使わせんなよ~」とニコニコしながら同期の荷物を搬入していた。

 初日特選の並び取材では川口聖二(31=岐阜)が岸田剛―寺崎浩平の3番手に行くかと思われたが、単騎を選択。その理由を聞きにいくと「みんなの3番手、みんなの川口聖二です(笑い)」と笑顔でうまくあしらわれてしまった。

 今回は四国勢の活躍が目立った(決勝は残念だったが…)。それをレースだけでなく、精神的にも支えていたのが小倉竜二(49=徳島)。初日は1Rで石原颯(25=香川)の番手でスタートを取って、位置も守ってと大仕事。「(石原が)前を取ってくださいとかいう無茶な注文をしてきた。(1番車の石原が)自分で取れよと…。ハコを守って得意のハコ3。でも、自分のやるべきことはできたかな」。いつも通り真顔で冗談を言いながら振り返った。

 2日目は東矢圭吾―片岡迪之の後ろで3番手。片岡より5点以上、競走得点は上だが「いつも片岡君に任せているので。たまたま、その片岡君の前に東矢君がいるというだけ」と理由を話す。これをサラッと言う姿は非常にカッコ良かった。

 6年ぶりのG1決勝後には弟子の犬伏湧也(30=徳島)に「競輪を分かっていないというか、何がしたいのか分からなかった。一からやり直し」と苦言を呈していた。期待しているから、成長を促すため、駄目なことはしっかりと言う。冗談だけではなく、きっちり言うのもオグリューだ。

 地元で決勝に上がった恩田淳平(35=群馬)は普段、緊張せずひょうひょうとしているが「いつもは22時くらいに寝るけど、昨日(決勝前日)は2時まで寝られなかった。目をつぶるとレースのことばかり考えて…。頭の中で100周くらいはしたかな」と苦笑い。そこで「頭の中では何回優勝したんですか?」と聞くと「6回くらい。100周で6回だからまあまあでしょう」。リアルで“7回目のV”とはいかなかった。それでも、決勝後に選手駐車場をのぞいていたファンのそばまで行き、声援に頭を下げていたのは印象的だった。

 最後に優勝した嘉永泰斗の話を。優勝すると表彰式後に会見があり、動画、写真撮影、プレゼント用のサインなど、かなりの仕事が待っている。同県の後輩・伊藤旭(25=熊本)、東矢圭吾(27=熊本)、松本秀之介(25=熊本)が首を長くしてこれらが終わるのを待っていた。伊藤は「まだかかりそうですよね。賞金を渡されるところを見たいんですよ」とニヤリ。約4500万円の“現ナマ”をひと目、見ようとしていた。また、松本は賞金ボードを見て「4、3、9、0、0、0、0、0円。0が5個もあるよ!」と驚がくしていた。いい雰囲気だった。


開催一の衝撃
最終日10R特秀(山口拳矢が、おはこの単騎捲り。スピードとレースセンスはさすが)

個人的MVP
恩田淳平(36=群馬)

今後注目選手
タイトルホルダーとなった嘉永泰斗(27=熊本)

(東京本社競輪担当・渡辺 雄人)

続きを表示

「2026 ヴィクトリアM」特集記事

「新潟大賞典」特集記事

ギャンブルの2025年10月26日のニュース