【皐月賞】ソールオリエンス 驚異の瞬間移動!併走馬あっさりかわしてラスト1F11秒2

[ 2023年4月13日 05:30 ]

ウッドチップコースを2頭併せで追い切るソールオリエンス(左)(撮影・河野光希)
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 大本命不在の「第83回皐月賞」の最終追い切りが12日、東西トレセンで行われた。京成杯勝ち馬ソールオリエンスは美浦Wコースで抜群の伸びを披露。完成途上のキタサンブラック産駒が無傷3連勝で1冠奪取を目指す。同レースは13日に出走馬と枠順が決まる。

 不釣り合い。2戦2勝ソールオリエンスの完成度と走りは明らかにマッチしていない。アンバランスさが際立たせる底知れないポテンシャル。フィエールマン、シュネルマイスター、ユーバーレーベン…。2、3歳G1で6勝を挙げる手塚師のトーンも熱を帯びる。「完成は先になるかもしれないが(過去に手がけたG1馬たちの同時期と)能力はそう変わらない。調教や普段のしぐさ、息遣い、さまざまな総合力も劣っていない気がする」。

 ハードに追われた1週前に態勢を整え、この日はWコースで余裕を持たせるメニュー。ヴァーンフリート(4歳2勝クラス)の5馬身後ろからゆったりとスタートした。スムーズに直線に向くとスイッチオン。内から瞬時に加速し、併走馬を一気に捉え、半馬身先着した。出色のラスト1F11秒2。騎乗した横山武は「並んで併入という指示だったけど、抑えが利かないくらい元気があった。先週からもう一段階ピリッとして上向いたかなと思う」と絶好調をアピールした。

 衝撃を与えたのが前走・京成杯(1着)。ただでさえ逆手前で入った4角でドリフトするように5、6頭分、外に寄れた。重賞では致命的なロスに見えたが、そこから別格の末脚で2馬身半差V。「あの内容で勝つんだから強いんだなと。完成は秋以降の馬だけどポテンシャルが高い」と横山武。中間はあえて内からプレッシャーをかけるようなメニューにも取り組んだ。師は「(調教では)膨れないで回っていた。問題はないかなと思います」と見通しを語った。

 昨年の年度代表馬イクイノックスと同じキタサンブラック産駒。1歳上の先輩も豊かな伸びしろを残しつつ、クラシックで結果を出した(皐月賞&ダービー2着)。「人気にしてもらっても、それに応えられる馬だと思う」と師。混迷を極める皐月賞戦線で、ひときわきらめく天賦の才だ。

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2023年4月13日のニュース