【凱旋門賞】鬼門の休み明けでもディープボンドに期待

[ 2022年9月30日 05:30 ]

ディープボンドの応援フラッグを手に笑顔を見せる大久保師(左から2番目)
Photo By 代表撮影

 【競馬人生劇場・平松さとし】凱旋門賞が目前に迫った。今年、この世界最高峰ともいわれるレースに挑戦する日本馬は4頭。その中で、昨年に続き2年連続でフランスに渡ったのがディープボンドだ。

 3歳クラシック戦線は同期に無敗の3冠馬コントレイルがいたこともあり、無冠に終わったのも仕方ない。古馬となった昨年は天皇賞・春(G1)2着と、ついにG1制覇に王手をかけるところまで来ると、秋には海を越えた。前哨戦のフォワ賞(G2)を制し、期待を胸に挑んだ凱旋門賞は、しかし14着と思わぬ大敗に終わった。

 それでも帰国後、初戦の有馬記念(G1)では、いきなり2着。短期間での巻き返しに陣営の並々ならぬ努力を感じさせると、今年も天皇賞・春を2年連続で2着。あと一歩でG1まで手が届く大善戦を繰り返してみせた。そして今年もまた、凱旋門賞に挑むのだから立派なものだ。

 ただし、臨戦過程が昨年と違い、今年はプレップレース(前哨戦)には使わず、休み明けぶっつけでの挑戦となった。3カ月以上の休み明けで凱旋門賞を勝ったのは1946年のカラカラを最後に、昨年まで75年間出ていないというデータを見た時は心配になったが、大久保師に話をうかがうと次のような答えが返ってきた。「いつも全力で走るタイプなので、昨年は前哨戦を勝った後、多少、反動がありました。久々でも一生懸命に走るから休み明けの心配はしていません」

 28日朝には新コンビとなる川田将雅騎手を乗せて最終追い切りが行われ、短距離馬のエントシャイデンと併せて併入。終始、好手応えで、指揮官の言葉が正しいと感じさせる素晴らしい動きを披露した。先述した通り休み明けの馬には牙をむくレースだが、競馬は何が起こるか分からない。挑戦する限りノーチャンスではないので、父キズナの無念を晴らす劇的な結果が待っていることを期待しよう!(フリーライター)

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2022年9月30日のニュース