前哨戦快勝から凱旋門賞2着のオルフェーヴル 今年のドウデュースは…

[ 2022年9月9日 05:00 ]

13年フォワ賞を快勝したオルフェーヴル(AP)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】

 今週末、フランスで凱旋門賞(G1)へ向けた前哨戦が行われる。3歳限定のニエル賞(G2)と古馬のフォワ賞(G2)、そして牝馬のヴェルメイユ賞(G1)がそのプレップレースで、舞台となるのはパリロンシャン競馬場の芝2400メートル。本番と全く同じ舞台だ。

 過去には06年にディープインパクトを破ったレイルリンクがニエル賞を、13、14年と連覇したトレヴがヴェルメイユ賞を、3年前の覇者ヴァルトガイストはフォワ賞をそれぞれステップにしていたように、世界最高峰のレースを占う意味で無視できない競走だ。

 そんな大事な一戦を連覇した日本馬がいる。12、13年にいずれもフォワ賞を勝利したオルフェーヴル(栗東・池江泰寿厩舎=当時)だ。12年の凱旋門賞ではゴール前、1度は完全に抜け出し、ついに日本ホースマンの夢がかなったか!?と思えたが、次の刹那、内へ切れ込んだ。結果、最後にソレミアの急襲に屈す首差の2着に惜敗した。

 これを受けて真っすぐ走るように、翌13年は周回コースでの調教を取り入れるなど工夫を凝らし、またしてもフォワ賞を優勝。レースの直後の池江師への共同会見で、聞き手が「昨年の忘れ物を取りに行けそうですね?」と言うと、池江師の表情から笑みが消え、言った。

 「忘れ物なら電話で確認して、あれば取りに行けます。でも凱旋門賞はそんな簡単な感覚ではありません。改めて挑むモノです」

 結果、着順だけでいうと前年と同じ2着。着差は勝ったトレヴから5馬身と前年以上に大きく開く完敗に終わってしまった。「残念です。やはり凱旋門賞制覇は簡単ではありませんでした」。唇をかみ、そう語った池江師だが、前年と違い、行儀良く真っすぐ走った競馬ぶりには納得の表情を感じさせた。

 今年は4頭の日本馬が世界の頂を目指すが、前哨戦を使うのはドウデュース(栗東=友道)ただ1頭。週末の走りに注目しよう。 (フリーライター)

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2022年9月9日のニュース