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【オークス】サークルオブライフ95点 背中が雄弁に語る2400戴冠への「余裕と自信」

[ 2022年5月17日 05:30 ]

鈴木康弘「達眼」馬体診断

サークルオブライフ
Photo By 提供写真

 難解な樫決戦の鍵を握る3強ボディーだ。鈴木康弘元調教師(78)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第83回オークス(22日、東京)ではサークルオブライフ、スタニングローズ、エリカヴィータをトップ採点した。中でも達眼が捉えたのは2400メートル適性を伝えるサークルオブライフの背中だ。

 競走馬は感情表現がとても豊かです。言葉の代わりに体のしぐさや格好で感情を伝えてくれます。オークスを前にしたサークルオブライフの心境を伝えてくれたのは背中。桜花賞時とは見違えるほど伸びやかです。ゆとりが生まれたように映りますが、わずか1カ月余りで背中が伸びるわけがない。リラックスした立ち姿が背中を大きく見せるのです。

 背中は言葉より雄弁といいます。この鹿毛馬の背中が語りかけるのは余裕や自信、安らぎといった心境でしょうか。馬体の写真撮影ではチェーンをかまされても嫌な顔ひとつ見せません。成熟した古馬のような穏やかなたたずまい。これだけ余裕があれば…。腹下が短いマイラー体形とはいえ、距離延長にも対応できるでしょう。

 馬体の完成度もこの世代では一歩抜けています。発達したキ甲(首と背中の間の膨らみ)。桜花賞時にも指摘した通り、胸の深さも際立っています。肺と心臓で走るといわれるサラブレッド。その両方が収納された胸腔(きょうこう)の奥行きを感じさせる胸です。深い胸で知られる父エピファネイアの特徴を体現しています。

 仕上がりも桜花賞時を上回っています。前走は美浦トレセンから阪神競馬場までの長距離輸送を考慮したのでしょう。腹周りに余裕を持たせたつくりで、レース当日の馬体重も6キロ増でした。今度は腹周りが引き締まっています。今週のひと追いで理想的な仕上がりになります。

 夕立は馬の背を分けるといいます。夕立は局地的な降り方をするので馬の背の片側がぬれ、反対側は乾いていることがあるほどだとの意味。馬の背を山の尾根になぞらえた言葉です。山の頂上のようにそびえるキ甲から伸びやかに連なる尾根のようなサークルオブライフの背中。「腹下が短いマイラー体形でも2400メートルはこなせます」。ゆとりのある背中が雄弁に語っています。(NHK解説者)

 ◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の78歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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2022年5月17日のニュース