【皐月賞】福永ジオグリフ1冠!「かなり達成感ある」理想的差し切り、名手にまた一つ勲章

[ 2022年4月18日 05:30 ]

<中山11R・皐月賞>福永騎乗のジオグリフはルメール騎乗のイクイノックス(左奥)に競り勝ち皐月賞を制した(撮影・西川祐介)
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 牡馬クラシック第1弾「第82回皐月賞」が17日、中山競馬場で行われ、福永祐一(45)騎乗の5番人気ジオグリフが快勝。2着はイクイノックスで木村哲也師(49)は史上4例目となる皐月賞ワンツーを決めた。新種牡馬ドレフォンもG1初勝利。1番人気ドウデュースは3着だった。ジオグリフはダービー(5月29日、東京)で2冠を目指す。

 ジオグリフの背で福永がグッと右の拳を握った。理想的な戦いができた証だった。「(過去のG1勝利でも)かなり上の方ですね。伏兵扱いだったけど自分がうまく導ければ勝てる馬だと思っていた。かなり達成感があります」。ワグネリアンでのダービー初制覇(18年)、ピクシーナイトで魔法のように内をすり抜けた昨年のスプリンターズS。大舞台で数々のスーパー騎乗を見せてきた名手。自画自賛すべきベストレースがまた一つ増えた。

 勝負はほぼ前半で決した。「いいスタートを切るのが絶対条件だった」(福永)。パドック、返し馬でテンションの高かった相棒をするりとゲートから出した。向正面では折り合いをつけるべく、馬の後ろへ。何とイクイノックスの背後に収まった。何という理想的なポジション。4角でイクイノックスの外へ。同厩の強敵がアスクビクターモア、ダノンベルーガをかわし、力を出し切ったところで外から襲いかかり、これを捉えた。福永は「長く脚を使えるので4コーナーでエンジンを噴かせた。期待した通りの素晴らしいレースをしてくれた」と相棒を絶賛。だが、福永の描いたシナリオが完璧だったことは言うまでもない。

 コントレイルとの3冠達成など、ますます円熟味を増す名手。プリモシーンなどの手綱も託してきた木村師は「関西のトップ騎手は、すなわち西のトップ厩舎とも関わっている。話の中で“向こうはそういう(高い)レベルでやっている”と突きつけられる。スタッフとも話をしてくれて、学ぶところが多い」。昨年の紫苑Sを制した木村厩舎のファインルージュは福永の助言で走りのバランスを矯正した。秋華賞2着は名手の貢献度が大きい。福永もこう語る。「優秀で熱心なスタッフがそろっている。(ジオグリフも)いいコミュニケーションを取った中で勝てた。それがうれしいし、楽しい」。本音でぶつかり高みを目指す。騎手・福永の喜び、やりがいが見えた気がした。

 2冠を目指して次走はダービー。父がダート短距離で活躍したドレフォンだけに、福永は「距離は何とも言えない。この世代の牡馬はレベルが高いと思っているし、迎え撃つ立場とは違うと思う」と正直な気持ちを明かす。それでも気鋭の厩舎に名手の力添えがあれば…。きっと1カ月後の東京で堂々と主役を務めるはずだ。

 ◆ジオグリフ 父ドレフォン 母アロマティコ(母の父キングカメハメハ)19年2月25日生まれ 牡3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦3勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億3581万4000円 馬名の由来は「地上絵」。祖母ナスカからの連想。

 【皐月賞アラカルト】

 ☆騎手&調教師 福永のJRA・G1勝利はフェブラリーS(カフェファラオ)以来で今年2勝目、通算34勝目。木村師は18年マイルCS(ステルヴィオ)以来で通算2勝目。

 ☆種牡馬 ドレフォン産駒はJRA・G1延べ4頭の出走で初勝利。新種牡馬産駒の皐月賞制覇は18年エポカドーロ(父オルフェーヴル)以来で84年以降では7回目。

 ☆東西構図 昨年エフフォーリアに続き2年連続で関東馬の勝利。通算成績は関東馬42勝、関西馬40勝。

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2022年4月18日のニュース