【有馬記念】(11)アリストテレス 暮れの復権へ!波に乗る武豊で本領発揮だ

[ 2021年12月25日 05:30 ]

静かな闘志を漲らせるアリストテレス
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 トレセンの最前線で取材する記者が気になる穴馬に迫る秋の連載企画「G1リベンジャーズ」。土曜は結論の日。登場するのは今週も特捜チケンこと鈴木智憲記者=イラスト。◎は昨年の菊花賞2着馬アリストテレス。今年はG1制覇を期待されたが、1月のAJC杯1勝のみ。先週の朝日杯FSを制した武豊に導かれ、暮れのグランプリでG1初制覇を飾るとみている。

 アリストテレスのベストバウト(最高の試合)に昨年の菊花賞を挙げても、多くの方が納得してくれると思う。コントレイルと首差の大接戦。3冠馬をぎりぎりまで追い詰めた一戦は、アリストテレスが今年の長距離路線の主役を担うと思わせるのに十分な内容だった。今年の始動戦、中山でのAJC杯は好位から抜け出して1番人気に応える完勝。いよいよ天皇賞・春の有力候補にのし上がった。

 だが続く阪神大賞典で歯車が狂った。単勝1・3倍の圧倒的1番人気に推されながら7着。主役を張るはずだった天皇賞・春は4着、続く宝塚記念も9着と失速。音無師は「AJC杯は勝ったが道悪で最後はフラフラしていた。阪神大賞典も道悪。良馬場だった天皇賞はそこそこ走ってくれたが、そこがピークだったのかも。宝塚記念は体調の問題もあったのかな」と回顧した。夏場は放牧に出て充電。師の「リフレッシュしたので今回はちゃんと走れそう。まだまだ菊花賞の時の思いもある。もう一回、楽しませてほしいね」の言葉に応え、復帰戦の京都大賞典で2着。復活の兆しを見せた。前走ジャパンCはデビュー以来初めて逃げる形になったのが響き9着。「戸惑って物見していた。度外視したい一戦」と指揮官。力負けではないことを強調した。

 鞍上は宝塚記念以来のコンビ復活となる武豊。先週の朝日杯FSを制し、JRA・G1完全制覇に王手をかけて波に乗っている。「有馬記念は毎年必ず出たいレース。チャンスがある馬なので、勝てるようにベストを尽くしたい」。90年オグリキャップ、06年ディープインパクト、17年キタサンブラックで有馬3勝のレジェンドが、アリストテレスとのコンビで4度目の戴冠を果たす。(11)から。

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2021年12月25日のニュース