レイデオロ産駒熱視線!期待の新種牡馬、次代のエースへ名乗り

[ 2021年7月14日 05:30 ]

セレクトセール2021 2日目   当歳セリ ( 2021年7月13日    北海道苫小牧市・ノーザンホースパーク )

1億5000万円で落札されたファイネストシティの2021((C)Japan Racing Horce Association)
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 黄金の血筋が新時代の幕開けを告げる。日本最大級の競走馬セール「セレクトセール2021」が13日、北海道苫小牧市で行われ、2日目の当歳セリは新種牡馬レイデオロの産駒たちに熱い注目が集まった。また、当歳がラスト世代のハーツクライ産駒、新種牡馬ブリックスアンドモルタル産駒にもコールが飛び交った。なお、売り上げは2日間合計で史上最高の225億6100万円となった。 (落札額は全て税抜き)

 2日目の当歳セリも開幕からヒートアップ。上場番号301、セリの盛り上げ役とばかりこの日の1番手に配された新種牡馬レイデオロ産駒の「ファイネストシティの2021」(牡)が登場すると、コールの応酬が熱を帯びる。一気に値が上がり、1億5000万円でハンマー。落札したのは“ダノン”軍団の長・野田順弘氏。「今回も馬の顔を見て決めましたね。感謝、感激、感動!」とおなじみのフレーズで喜びを表した。

 当歳セリの名物はオークション開始前に行われる一斉展示。まだ幼さ全開の0歳馬と母馬約500頭がバイヤーたちの前に並ぶ。母親の乳をねだったり、思わず眠りについてしまう子馬がいる中、凜(りん)としたたたずまいだったのがレイデオロの産駒たちだ。父を管理した藤沢和師は「お母さんがいるのに展示の時からグイグイ前を歩くんだ。お父さんと同じで凄くたくましくて気持ちが前向きだよな」とうれしそうだった。

 16年ホープフルS、17年ダービー、18年天皇賞・秋を制したレイデオロ。産駒のポテンシャルはもちろん、期待されているのはその血統背景。父が19年に没したキングカメハメハで、血統表にサンデーサイレンスの名はない。師は「ディープインパクト産駒の牝馬と配合できるのが大きいよ。母親とクロスになるしね。何頭も牧場で見たけど、評判が非常にいい。走ると思うよ」と最大級の賛辞を並べた。レイデオロの曽祖母ウインドインハーヘアはディープの母。ディープ牝馬との配合で生じる「ウインドインハーヘアの4×3」が今後の日本競馬を席巻する可能性は十分。

 ディープ、キンカメがこの世を去り、まさに“種牡馬戦国時代”。「モルガナイトの2021」(牡)を1億8000万円で落とした“ホウオウ”の小笹芳央氏は「どれが主流の種牡馬になるか。ギャンブル的な意味もあるけど、新種牡馬(の産駒)を狙いました」と先を見据えた戦略を明かす。数々の功績に敬意を払い、初日の1歳セリはディープインパクトのラストクロップたちがスタートと大トリを務めた。2日目の当歳セリ、同じ位置にはレイデオロ産駒が置かれた。23年にデビューする“黄金の王”の子たちに懸かる期待は大きい。

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