ナイスネイチャとファンが救う新たな命 引退馬協会が名繁殖牝馬マンダララを受け入れへ

[ 2021年7月7日 16:02 ]

渡辺牧場で余生を過ごすナイスネイチャ
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 衰えることがないナイスネイチャの人気、そして1人1人の馬を愛するファンの支援が、新たな命を救っている。認定NPO法人の引退馬協会は、重賞4勝の“名バイプレーヤー”ナイスネイチャ(牡)の33歳の誕生日を機に、資金を集めるために実施した「ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション」で集まった寄付金をもとに、新たに名繁殖牝馬マンダララ(牝24)を受け入れたことを発表した。

 マンダララは愛国産で父ラヒブ、母マディリヤ(母の父ダイイシス)という血統。自身は仏で1戦0勝だが、産駒のマンデシャが06年の仏G1ヴェルメイユ賞などG13勝を挙げた。06年のドーヴィルディセンバーセールで170万ユーロ(約2億6000万円)で落札されて日本へ。JRA3勝のレッドマジュール(牝9、父ディープインパクト)や同2勝のレッドシェリール(牝10、父ゼンノロブロイ)を生んだ。現在は北海道日高町のスウィングフィールド牧場でけい養されており、2歳のマディラストーン(牝=北海道・齊藤正弘、父ゼンノロブロイ)が最後の産駒となる。スウィングフィールド牧場の宇田昌隆氏は「現在は離乳した1歳馬の面倒を見ながら過ごしています。行き先が決まって良かったです」と安どの笑みを浮かべた。

 「ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション」では目標金額を300万円に設定していたが、以前からの継続寄付を含めて3625万191円が集まり、手数料などを差し引いた3186万5332円が引退馬協会に入金された。支援者数は何と1万6000人以上! ナイスネイチャの人気はもちろんだが、競走馬を擬人化したアニメ「ウマ娘」のヒットが大きな相乗効果となって、目標の約18倍の寄付金が集まった。昨年は支援者数が404人、寄付金が176万3900円だったから、驚異的な伸びと言える。これが一過性の“ブーム”で終わらず、来年以降も続くことを願いたい。

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2021年7月7日のニュース