【フローラS】クールキャット完勝!樫切符、雄大フットワーク 打倒ソダシ名乗り

[ 2021年4月26日 05:30 ]

<フローラS>レースを制したクールキャット(中央)。右は2着のスライリー、左は4着のメイサウザンアワー(撮影・郡司 修)
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 25日、再び無観客となった東京と阪神だが、G1に向けて大きな一歩が刻まれた。東京G2「第56回フローラS」は、ルメール騎乗の5番人気クールキャットがスケールの大きい走りで完勝。2着スライリーと共にオークス(5月23日、東京)の優先出走権を手にした。

 全馬が樫切符獲りへ必死に駆けた直線。明らかに他馬より大きい完歩でクールキャットが伸びてくる。広く長い府中の直線。その歩を進めるごとに、前の馬との差が詰まっていく。ルメールは「この馬は跳びが大きいですね。切れないけど、長い脚で伸びてくれます」と振り返った。

 15番枠から好スタートで4番手へ。名手が少しだけ外に誘導し、走りやすい環境を整える。ノーストレスで迎えた直線。前に馬はいない。他馬に気兼ねすることなく、雄大なフットワークのピッチが上がる。内で粘る伏兵スライリーをかわせば、後方勢は問題にしなかった。ルメールは「凄くいいポジション。冷静に走れていたし、直線はだんだんと加速してくれました」と上機嫌だった。

 奥村武師は「窮屈な中山が競馬を難しくしていたので。今日のコースはこの馬に向いていると感じました」とコース替わりを勝因に挙げた。馬体重506キロはこの日のメンバーで唯一の500キロオーバー。トリッキーで急加速が求められる近2走の中山(フェアリーS10着、フラワーC5着)は、この大型牝馬には狭すぎた。「ここに来てパワーが付いてきたなと。スタミナがあるのでもっと距離は延びていいと思います」と、コース適性に加えて馬自身の成長も認めた。

 次戦はオークス参戦が濃厚。再び、東京の直線で戦える。ルメールはアカイトリノムスメとのコンビが決まっているが、クールキャットについて「新馬戦の時より筋肉が大きくなっている。今日G2を勝てたし、上のクラスでも戦えると思います」と能力を評価。サトノレイナス(ダービー出走)の回避で、桜花賞馬ソダシの1強ムードとなる樫の舞台。その大きな一歩で、白い女王の背を追い掛ける。

 ◆クールキャット 父スクリーンヒーロー 母メジロトンキニーズ(母の父ダンスインザダーク)18年2月21日生まれ 牝3歳 美浦・奥村武厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道洞爺湖町のレイクヴィラファーム 戦績5戦2勝 総獲得賞金6659万円 馬名の由来は口語で「素敵な人」。母名(ネコの品種)より連想。

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