【皐月賞】エフフォーリア 軽やかに無敗戴冠リハ 横山武、レース史上3組目の父子制覇へ

[ 2021年4月15日 05:30 ]

併せて追い切る横山武騎乗のエフフォーリア(左)(撮影・西川 祐介)
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 今週も、今年も無敗馬の戴冠か。3歳牡馬クラシック3冠の第1弾「第81回皐月賞」の追い切りが14日、美浦&栗東の東西トレセンで行われた。3戦3勝で本番を迎えるエフフォーリアは、同レース史上3組目の父子制覇が懸かる若武者・横山武史(22)を背に美浦Wコースを軽やかに駆け抜けた。“静”の最終調整が意味するものは!?出走馬と枠順は15日に確定する。

 春雨にぬれた鹿毛。血管が浮き上がる至極の馬体が無敗制覇の可能性を雄弁に物語る。エフフォーリアは横山武が騎乗して美浦Wコースで併せ馬。道中はクロパラントゥ(3歳未勝利)を2馬身前に見て折り合いに専念。ゆったりとしたストライドの追走で、残り1Fまで差は詰めず。僚馬に並びかけたのはゴール板を過ぎてからだった。5F69秒0~1F12秒4(やや重)。

 5F65秒8の猛時計をマークした1週前追い切りと比して地味に映る馬なり調教に鹿戸師から「狙い通り」と笑みがこぼれた。牝馬3冠デアリングタクトを筆頭にスイッチが入りやすいエピファネイア産駒。「1週前は3頭併せでびっしりやった。今日はリズム重視。馬をリラックスさせる目的の調教だった」。馬場から引き揚げてきたエフフォーリアの表情は、迫力満点の馬体とは裏腹に穏やかそのもの。「落ち着いていていいね。前走ほど間隔がなくて調整がしやすかった。レースを使うごとに体は強くなっている。あとは万全の体調で本番に送り出すだけ」。師は前走以上のパフォーマンスを約束する。

 手綱を託されるのは昨年、史上最年少で関東リーディングに輝いた横山武。奇縁か。22歳は、父・典弘が相棒メジロライアンとともに3冠クラシックを駆け抜け、キョウエイタップ(エリザベス女王杯)でG1初勝利を挙げた時と同じ年齢だ。皐月賞史上3組目となる父子制覇には「意識はしてない」と話す鞍上だが、「G1に出るだけでは満足できない。先週の桜花賞(アカイトリノムスメに騎乗し4着)では結果を出せなかったので、この馬で何とか勝ちたい。相手は強くなって甘くはないだろうけど、十分にやれる馬だと思う」とG1初制覇への意気は熱い。

 前走・共同通信杯で寄せ付けなかった2着ヴィクティファルス、3着シャフリヤールはそれぞれ次戦で重賞勝利。「一線級相手に強い勝ち方をして改めていい馬だと思った。負かした相手も強かったので」。3連勝で芽生えた確かな自信。負け知らずの人馬には、コントレイルに続く史上19頭目、無敗の皐月賞Vロードがはっきりと見えている。

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