【大井・JBCクラシック】クリソベリル 国内敵なし8戦8勝!再び海外挑戦示唆「サウジでリベンジを」

[ 2020年11月4日 05:30 ]

<大井・JBCクラシック>レースを制したクリソベリル(撮影・村上 大輔)
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 20周年を迎えたダート競馬の祭典「JBC競走」が3日、東京・大井競馬場と北海道・門別競馬場で行われ、メインのJBCクラシックはJRA所属のクリソベリルが完勝。G1・4勝目を挙げ、国内8戦無敗とした。JBCスプリントはサブノジュニアが大井生え抜き馬として初制覇を果たし、JBC史上初の地方勢連覇。藤田菜七子(23)騎乗のコパノキッキングは6着に敗れた。JBCレディスクラシックではファッショニスタが3度目の挑戦でG1初勝利。門別のJBC2歳優駿は北海道所属馬ラッキードリームが初代王者に輝いた。

 国内にはもう、敵なし。若きダート王の国内無敗ロードの歩みは止まらない。断然の1番人気に応えての完勝だった。川田は安堵(あんど)の表情を浮かべ、開口一番に「この馬らしい結果が得られることができて、ホッとしています」と語った。

 好スタートから道中は3番手で追走。ダノンファラオ、チュウワウィザードの先行勢を見る形。「前半から力みながらもよく我慢してくれた」。そのタメが利いて直線に向かうと鞍上のGOサインにすぐさま反応。前2頭に並ぶ間もなく、残り200メートルで先頭に立って独走状態。外から追ってきたオメガパフュームに影すら踏ませず、2馬身半の差をつけゴールに飛び込んだ。圧巻の走り。音無師は「負けなかったのでうれしく思います。今日が一番、安心して見ていられました。G1馬らしい走りをしたなと思います」と愛馬の走りに胸を張った。 

 中央の芝では、無敗の3冠馬(コントレイル&デアリングタクト)やG1・8冠(アーモンドアイ)が話題だが、ダート王者のこの馬だって負けていない。国内ダートはこれで8戦8勝。春は帝王賞を制したが、成長著しい4歳馬。夏の休養期間でさらなる地力強化を果たした。主戦を務める川田も「体がしっかりしてきて、少しずつ成長してくれている」と言うように、パワーアップは現在進行形だ。帝王賞で退けたオメガを再び沈め、その手綱を握ったM・デムーロに「化け物」と言わせるほどの強さ。国内にはもはやライバルは不在、1強態勢を築き上げた。

 今後はチャンピオンズC(12月6日、中京)連覇が目標となる。その後について音無師は「まだまだ成長途上。海外のサウジのリベンジもしたいと思っている」とキャリアで唯一敗れたサウジCへの参戦を示唆。ダートの世界制圧へ、再チャレンジの第一歩を大きく踏み出した。

 ◇クリソベリル 父ゴールドアリュール 母クリソプレーズ(母の父エルコンドルパサー) 牡4歳 栗東・音無秀孝厩舎 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績9戦8勝(南関東4戦4勝、海外1戦0勝) 総獲得賞金4億1888万2400円 重賞は20年帝王賞以来6勝目。

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