【アイビスSD】ジョーカナチャン王者狩り!重賞初挑戦5歳牝馬“得意の千直”外ラチぴったり押し切った

[ 2020年7月27日 05:30 ]

<アイビスSD>ジョーカナチャン(左)は押し切って前年覇者のライオンボスに競り勝つ(撮影・西川祐介)
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 夏の新潟開幕週の名物“千直”重賞「第20回アイビスサマーダッシュ」が26日、新潟競馬場の11Rで行われた。重賞初挑戦の2番人気ジョーカナチャンが自慢のスピードでハナを奪うと、そのまま押し切って重賞初Vを飾った。菱田裕二(27)は18年阪神C以来の重賞3勝目。松下武士師(39)は昨年の阪神JF以来の重賞7勝目となった。連覇を狙ったライオンボスは頭差2着に敗れた。

 ジョーカナチャンはゲートのタイミングが合わず、半馬身ほど立ち遅れた。しかし、そこからのダッシュ力は桁違いだった。「速い二の脚でカバーしてくれた」と菱田。スピード自慢が集まった千直重賞でも、一枚上のスピードを見せて一気に挽回。そこからカナチャンを外ラチ沿いに導くと、先にそこへ位置取ったライオンボスの前に入った。いつものようにハナは主張した。あとはゴールまで粘るのみ。ライオンが猛然と襲いかかるが、カナチャンは最後まで先頭を譲らなかった。何とか頭差しのぎ切って“ライオン狩り”を成功させた。

 デビュー12戦目で重賞初挑戦初制覇。これで千直は3勝目となった。菱田は「素直にとてもうれしい。前回に比べて重量差は少なかったけど、調教はうまくいっていたし、調子は凄くいいと聞いていた」と笑った。前走・韋駄天Sはライオンが57・5キロで、カナチャンが53キロ。今回はライオン57キロに対し、カナチャン54キロ。4・5キロあった重量差が3キロになった。だが逆に前走で頭差敗れていた“千直の王”を見事に仕留めた。殊勲の菱田は18年阪神C以来となる重賞3勝目。サマージョッキーズシリーズでも、16ポイントとしてトップに立った。「丁寧に一鞍一鞍乗っていれば、チャンスは巡ってくると思って乗ってきた。乗せてもらって感謝している。これからも精いっぱい頑張りたい」と久々の重賞Vの味をかみしめていた。

 松下師は昨年の阪神JF以来の重賞7勝目。「いつもより半歩遅かった。でも二の脚が速く、ジョッキーが行ってくれた。前走から1・5キロ詰まったけど、逆転できるくらい具合は良かった。結果で応えてくれて馬には感謝したい」と人馬をねぎらった。今回ジョーカナチャンは木曜追いを選択した。その意図について「この馬はカイバ食いが細い。なので木曜に追って、金曜は軽めの運動のみにして、土曜輸送という形を取った。馬体重は前回と同じでしたが、本当はもうちょっとプラス体重で出したかった」と師。5歳牝馬だが、まだ精神面の成長が見込める現状を説明した。

 次走はサマースプリントシリーズ第4戦の北九州記念(8月23日、小倉)を予定している。カナチャンの“カナ”は父ロード“カナ”ロアに由来。父譲りの異次元のスピードで、シリーズ制覇を狙う。

 ◆ジョーカナチャン 父ロードカナロア 母ラッキーダイス(母の父ネオユニヴァース)牝5歳 栗東・松下厩舎所属 馬主・上田江吏子氏 生産者・北海道新冠町の三村卓也氏 戦績12戦5勝 総獲得賞金1億748万6000円。 

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