菜七子見習卒業!20年初白星&通算101勝目 次週から3キロ減→2キロ減

[ 2020年1月12日 05:30 ]

エンドーツダに乗り通算101勝を達成した藤田菜七子 (撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

 JRA唯一の女性騎手・藤田菜七子(22)が11日、中山6Rのエンドーツダで今年初勝利&通算101勝を達成!JRA通算2000戦目で見習騎手卒業となり、次週からは現在の3キロ減(出走表の記号では▲)から女性騎手減量のみの2キロ減(同◇)となる。

 成人の日を2日後に控えた11日、22歳の菜七子も“大人ジョッキー”の仲間入りを果たした。エンドーツダ(牝4=萱野)で通算101勝目(JRA+地方交流競走)を達成した中山6R。これが見習卒業となる記念の勝利で、次週からは減量が女性騎手特典(2キロ減)のみとなる。だが、菜七子に浮かれた様子はない。「(減量が)2キロ減になっても信頼して依頼を頂けるように頑張りたい」。レース直後こそ笑顔がはじけたが、すぐに真面目なトーンに変わった。

 コンビ3戦目の相棒を導く手綱はさえていた。過去2戦とは違って序盤から好位を奪い、折り合いに気を使いながら直線へ。最後は楽に抜け出すと、後続を2馬身半突き放す完勝だった。菜七子は「レースは(ゲートを)出た感じで決めようと思っていた。いつもより落ち着いていて良かった」と納得の表情。節目のJRA騎乗2000回目で挙げた20年初勝利は、自らの好リードでもぎ取った。

 この日、菜七子の母校・茨城県守谷市立松ケ丘小学校の教員4人も卒業生の応援に中山へ駆け付けていた。中野比呂志校長(55)は「頑張れ、頑張れって応援しました。最近は“菜七子騎手の小学校です”という紹介から入るんですよ」と満面の笑み。12歳時にすでに同校の卒業文集で「騎手になりたい」と記していた菜七子。身近な先輩の活躍が在校生に与える影響は大きいようだ。6年生の学年主任を務める荒井清作教諭(43)は「当たり前ですけど生徒も菜七子さんも本当に近所で育った。そういう人が夢をかなえた姿は励みになります。生徒にもよく“菜七子さんのように夢を持とう”と話しています」と卒業生の姿に目を細めていた。

「(減量が2キロ減となり)私自身の意識はあまり変わらないけど、周りの見る目は変わるかもしれない。より頑張らなくちゃいけない」と菜七子。重量が1キロ違うと1馬身違うと言われる競馬。減量が2キロになることで騎乗オファーのハードルが高くなることは理解している。責任と期待の大きくなるデビュー5年目が始まった。

 ◇減量制度 見習騎手(免許の通算取得期間が5年未満で勝利数が100以下)および女性騎手が特別競走とハンデキャップ競走以外のレースに騎乗する場合、負担重量を減量する制度。男性騎手はデビュー5年以内で30勝以下=3キロ減(▲)、同50勝以下=2キロ減(△)、同100勝以下=1キロ減(☆)。19年3月1日から女性騎手のみの新制度がスタート。デビュー5年以内で50勝以下=4キロ減(★)、同100勝以下=3キロ減(▲)、デビュー6年目以降や101勝以上も恒久的に2キロ減(◇)となる。この場合の勝利数はJRAでの勝利と、地方競馬指定交流競走および海外の重賞レースにおいてJRAの登録を受けている馬に騎乗して得た1着の回数の合計。

 【菜七子、フェアリーSで重賞連勝目指す】菜七子は12日は中山で6鞍に騎乗。13日フェアリーS(中山)はニシノステラ(牝3=小西)で自身24回目の重賞騎乗となる。「ゲートが速いので積極策で運べれば」と昨年のカペラS(コパノキッキング)に続く重賞連勝を狙っている。

続きを表示

この記事のフォト

2020年1月12日のニュース