【マイルCS】マイスタイル マイル覚醒だ!3月ダービー卿CT3着で昆師も確信

[ 2019年11月13日 05:30 ]

<マイルCS>単走で調教するマイスタイル(撮影・亀井 直樹)
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 何とも言いがたい“違和感”こそが高配ゲットへの道標かもしれない。「第36回マイルCS」(17日、京都)に照準を合わせてきたマイスタイル(牡5=昆)のことだ。函館記念の勝ち馬が、同年のマイルCSに参戦するのは異例だが、陣営は相当な手応えをつかんでいる。3歳時はクラシック3冠全てに参戦したタフネスが、一撃を狙って虎視たんたん。鞍上は田中勝春(48)。積極策で“勝路”を切り開く。 マイルCS

 やれムーアだ、スミヨンだ、いやビュイックだと世間はかまびすしい。その中で静かにベテランが牙を研ぐ。マイスタイルの田中勝春だ。今年の函館記念で記念すべきJRA重賞50勝目を挙げた48歳だが、G1勝ちとなると07年皐月賞・ヴィクトリーまでさかのぼる。思えばあのレースも人気薄での逃げ切りだった。田中勝の大きな目がギラっと輝いたのがマイルCSの前哨戦・スワンS(1400メートル)のレース後だった。惜しくもゴール前の攻防で3着に敗れたが「この距離でも掛かり気味に行くぐらいだった。こんな競馬ができれば次が楽しみになる」と言い切る。

 マイスタイルは初重賞制覇を収めた函館記念のような“小回り2000メートル”のイメージが強い。しかしここに来て眠れるマイル適性が目覚めた。管理する昆師は新たな“金脈”を見つけたかのような表情だ。「春に中山のマイル戦(ダービー卿CT、3着)に使った時に分かった。以前はマイル戦のスピード決着には対応できなかった馬が1分31秒台の速い決着に対応できた。これなら絶対にマイルが合うと。秋はマイルに使おうと考えていた」。19年の年明けはスポニチ賞京都金杯からスタート。ここでも2着に食い込む力走を見せたが、指揮官が“やれる”感触をつかんだのが4走前のダービー卿CT。1分31秒7の決着で勝ち馬から首、鼻差の3着。初重賞制覇を遂げた函館記念はいわば行きがけの駄賃のようなもの。トレーナーが本気で狙うのはこのマイルCS。それを知れば3着のスワンSがいかに価値あるものかが見えてくる。

 遅ればせながら目覚めたマイル適性に加え、今回狙いが立つ理由は展開面。強力な逃げ馬が不在。安田記念で4着したグァンチャーレもハナにこだわるタイプではない。マイスタイルが自分のリズムで先行できるようなら、これほど怖いものはない。自分の形=マイスタイルを持つアドバンテージがここで生きる。先週のエリザベス女王杯はクロコスミアが大胆な逃げを打ち、まんまとスローに持ち込み見せ場たっぷりの2着。同様のレースをイメージしてもらえばいい。

 13日の最終追いには美浦から田中勝が駆けつけ感触を確かめる。激穴を狙うなら、田中勝の一言一句に耳を傾けなければならない。

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