【マイルCS】プレミアム95点 天皇賞から中2週ダメージ問題ない

[ 2019年11月12日 05:30 ]

鈴木康弘「達眼」馬体診断

肉々しい体つきのダノンプレミアム(撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 ダノンプレミアムはマイル界のエースと呼ぶにふさわしい姿です。ライバルを圧倒する筋肉量。強じんな筋肉を誇るインディチャンプさえトモ肉のボリュームで上回っています。特にトモの軸となる臀部の容積は特大。トモのパワーを立派な飛節が余すところなく推進力に変えています。

 2強を形成するダノン勢のもう1頭、キングリーよりもマイラーらしい体つき。昨年のダービー時も胴の詰まったマイラー体形だと指摘しましたが、古馬になってますますマイル色を強めています。ライオンのように太くなった首。せり上がったトモと肩。どっしりと風格の出た腹袋。全身が肉の塊です。

 料理のレシピで多用されている「肉肉しい」が最近の肉ブームに乗って新語・流行語大賞の候補になりました。肉っぽさを感じさせる料理に使う表現。ダノンプレミアムのように肉付きのいい体にも用いる。秋の天皇賞から中2週の短い間隔ですが、筋肉が全く落ちていない。肉肉しい馬体はダメージが残っていない確かな証です。

 立ち姿には天皇賞・秋以上に力強さを感じます。鼻をとがらせているのは不満ですが、目と鼻は真正面の一点に集中し、四肢はしっかり大地をつかんで立っています。それだけ気持ちが入っているのでしょう。中長距離戦なら立ち姿に少しは遊びが欲しいが、マイル戦だけにこれでちょうどいい。

 気になっていた蹄も両前にエクイロックス(接着装蹄)を施して万全の備え。青鹿毛の毛ヅヤがさえています。ラグビー日本代表の北出卓也選手が考案して話題になった「キタデ丼」は流行語候補から漏れましたが、ダノンプレミアムの被毛はこの丼の中のごま油を垂らした高菜のように黒光りしています。

 筋肉量ばかりか、ファンの支持もキングリーを抑えて1位になるか。穴党にとっては憎々しいかもしれませんが、本命党には頼りになるマイル界の肉肉しいエースです。

続きを表示

2019年11月12日のニュース