【マイルCS】アスコット95点 今春と段違い最高の毛ヅヤ

[ 2019年11月12日 05:30 ]

最高の毛ヅヤをしているモズアスコット
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 ダノン2強の獲物を奪うのはモズの必殺技「ジャッカル」だ。鈴木康弘元調教師(75)がG1有力馬の馬体を診断する「達眼」。マイルCS(17日、京都)ではダノンプレミアムと共にモズアスコットを1位指名した。達眼が捉えたのは「ジャッカル」のように黄金色に変化したモズの毛ヅヤと、ダノンの「肉肉しい」プレミアムボディー。6日に発表された新語・流行語大賞候補を例に挙げながら馬体を解説する。

 タンザニアには乾季になると黄褐色の毛衣を薄金色に変えるジャッカルがいるそうです。ジャッカル種の中で最も大きくて美しい、その名もキンイロジャッカル。オオカミやコヨーテに似た頭をもたげて、ハゲワシを威嚇する獰猛(どうもう)なジャッカルとして知られています。トラやライオンの獲物を奪うこともある。薄金色の輝きは獰猛さを隠すための美装かもしれません。

 明るい栗毛をかぶったモズアスコット。その毛ヅヤはキンイロジャッカルを想起させます。安田記念時のくすんだ黄褐色の被毛を脱ぎ捨て、新たに黄金色の毛皮を着込んだような変身ぶり。オイルで磨き抜いたのかと錯覚させるほどの輝きです。馬にまとわりつくのが大好きなアブやハエも滑り落ちると思って近寄らない。そんなジョークも真に受けてしまうぐらい毛ヅヤが光っている。

 毛ヅヤは新陳代謝のバロメーターです。キンイロジャッカルが乾季なら、モズは秋季に新陳代謝を上げて金色に輝くのでしょうか。ともあれ、今春とは段違いの体調になっています。

 年末恒例の「新語・流行語大賞」の候補30語が6日発表されました。今年の候補には日本代表の快進撃で熱く盛り上がったラグビーW杯に関する言葉が5つも含まれていますが、その原動力となった姫野和樹選手の必殺技は「ジャッカル」。簡単に言えば、タックルで倒れた相手から立ったままボールを奪い取るプレー。その姿が獲物を捕らえるジャッカルに似ていることから名付けられたそうです。

 モズアスコットは姫野のように野太い首と臀部(でんぶ)の持ち主。四肢には腱がしっかり浮き出ている。脚元が丈夫だから加減せずに鍛えることができるでしょう。必殺技「ジャッカル」は立ったままボールを奪おうとした時にタックルされても簡単に倒れない強固な肉体と姿勢、スピードが求められるそうです。馬のジャッカルもタフな体とスピードを持っている。姿勢も悪くない。引き手に遊びがあるほどリラックスしながら立っています。顎を上げ、耳を立て過ぎているのは余計ですが、おそらく頭上に気になるものでもあるのでしょう。まさか、秋を告げる猛禽(もうきん)、モズが栗東の上空を旋回しながら鋭い声で高鳴きしているのか。

 関西には秋季になると黄褐色の毛衣を黄金色に変えるジャッカルがいるそうです。トラやライオンに例えられるダノン2強の獲物も必殺技「ジャッカル」で奪い取る。金色モズアスコットと名付けられた競走馬です。 (NHK解説者)

 ◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の75歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。今春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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