【中山1R】菜七子 年間28勝!自身が持つJRA女性最多記録を更新

[ 2019年9月15日 05:30 ]

<中山1R>デビルスダンサーに騎乗の藤田菜七子はJRA女性騎手年間最多勝記録28を達成した(撮影・西川祐介)
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 藤田菜七子(22)が14日、中山1R(2歳未勝利戦、ダート1200メートル)を1番人気デビルスダンサー(牝=奥村武)で勝利。自身が昨年に樹立した女性騎手のJRA年間最多勝記録(27勝)を更新する28勝目(JRA通算75勝目)を挙げた。新記録に王手をかけてから38戦ぶりの勝利で、残り3カ月半をこのペースでいけば年間40勝に届く勢い。JRA唯一の現役女性ジョッキーとして、蹄跡なき道を歩み続ける。 レース結果

 今年をまだ3カ月半も残し、菜七子が“未踏峰”に駆け上がった。朝一番にかかわらず、ウイナーズサークルでは鈴なりのファンから大きな声援を浴びた。

 「早くに去年の数字を抜くことができてよかった。自分の記録なんですが、毎年こうして更新していけたらいいと思います」

 記念すべき勝利には、デビュー4年目の成長がたっぷりと詰まっていた。「(新馬戦同様に)逃げか、番手」の競馬を想定していたが、芝スタートで行き脚がつかなかった。それでも、慌てない。道中は4番手で進み、最後の直線で外に持ち出すと、ゴール前で半馬身差抜け出した。

 もちろん、今年3月から導入された女性騎手の減量新ルールで▲3キロ減に戻った恩恵も大きいが、この日のように冷静な手綱さばき、柔軟なレース運びが白星量産の最大の要因だ。これまで“逃げの菜七子”のイメージが強かったように昨年「4角1番手」で11勝を挙げたが、今年は4勝。対照的に昨年0勝だった「4角4~7番手」で、今年は11勝をマークしている。確実に“引き出し”が増えた証拠で、菜七子は「馬のリズムを大切にどこからでも力を引き出せるようにしている。意識的に前に出す場合もあるけど、一頭一頭タイプが違うので」と自己分析する。

 減量新制度の導入が決まった当時は「男性も女性も関係のない世界と分かった上で飛び込んだので、正直、複雑ですね」と言葉を濁すことが多かったが、今は「私だけのルールではない。後輩たちのお手本になりたい。そのためには勝つこと、結果でしか示せないと思う。ルールが導入された意味を大切にしたい」と言い切れるまでに変わった。

 「今週は3日間開催だし、秋競馬もまだたくさんある。もっともっと勝ちたいし、もっともっと成長したい」。現在、JRA競馬学校では3人の女性騎手課程生が菜七子の背中を見つめている。自らが後輩ライダーたちの高い壁であり続けることが使命ともなる。

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