【新潟4R】菜七子 5週連続V!9頭出しミルファームの“パワーゲーム”ものともせず

[ 2019年8月4日 05:30 ]

新潟競馬4Rをコスモリモーネで勝ち、自身初の5週連続勝利を飾った藤田菜七子騎手。右は同馬を管理する高橋裕調教師(撮影・小田 哲也)
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 藤田菜七子(21)が3日、新潟4Rを5番人気のコスモリモーネ(牡2=高橋裕)で制し、自身初のJRA5週連続勝利を飾った。今月9日の誕生日を自ら前祝いする1勝。また、同レースは(有)ミルファームの所有馬が9頭の多頭出しで注目される中、菜七子はパワーゲームに臆することなく、千直(新潟芝1000メートル)で1年10カ月ぶり5度目のVとなった。 レース結果

 菜七子の勢いが止まらない。「千直なら菜七子」と岡田繁幸オーナーから直々に指名を受けて、コスモリモーネに初騎乗。好スタートを決めると、2番手追走からラスト200メートル付近で先頭に立つと、そのまま押し切った。

 「ゲートが速くていい位置を取れた。道中は追いだしを我慢するくらい余裕がありました。いい競馬ができたと思うし、直線競馬への適性がありますね」

 デビューから2戦はダートを使われて11、9着だったが、“千直の女王”に導かれて芝で一変した。

 直線競馬について、菜七子は「どこで息を入れるかが大切。外枠の方が走りやすいと言われているが、私は絶対に外とは思わない」と話す。この日も3枠6番ながら最後まで無理に外には出さず、自らのレース勘を結果で証明した。

 実はこのレース、2歳未勝利戦にもかかわらず、戦前から大きな話題を集めていた。(有)ミルファームの所有馬が9頭も出走。同一馬主による1レースのJRA最多タイ記録だ。ミルファームは低価格の馬を早期デビューさせるのが方針で、さらに多頭出しについて清水敏代表は「ラグビーのモールのように数で押し込む作戦」とパワーゲームの論理を口にしてきた。実際、8月第1週の新潟千直を舞台に16年8頭(最高1着)、17年9頭(同3着)、18年9頭(同1着)と多頭出しを続け、結果も残してきた。もはや真夏の風物詩とも言えるミルファームの大包囲網にも、菜七子は冷静な手綱さばきで歯牙にもかけなかった。

 「まだ全然。今週もたくさん乗せていただいているので、一鞍一鞍しっかり乗るだけです」。5週連続Vにも口元を引き締めた菜七子。21歳でのJRAラスト騎乗となる4日も、新潟で6鞍に騎乗する。

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2019年8月4日のニュース