7月7日は“菜七子の日”ビアンカで凱旋白星!キッキングとは韓国重賞参戦か

[ 2019年7月8日 05:30 ]

<福島・2R>レースを制した藤田騎乗のコパノビアンカ(撮影・村上 大輔)
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 藤田菜七子(21)が7日、凱旋勝利を飾った。「ウィメンジョッキーズワールドカップ」(6月30日、スウェーデン)で総合優勝を果たして世界女王となった同騎手は、福島2Rをコパノビアンカ(牝2=林)で制して帰国後初V。「第55回七夕賞」(G3)でも伏兵ゴールドサーベラスに騎乗して、自身のJRA重賞最高着順を更新する4着に入った。また同日、コパノキッキング(セン4=村山)が菜七子騎乗で韓国G3「コリアスプリント」(9月8日、ソウル)に参戦するプランも明らかになった。 レース結果

 七夕の日に菜“七”子が光り輝いた。福島2R。2番手追走から直線で抜け出すと、相棒のコパノビアンカが末脚を力強く伸ばす。後続に1馬身1/4差をつける完勝だった。

 「逃げる馬がいたので番手で控えた。道悪(やや重)に脚を取られる場面もありましたが、追ってからはいい反応だった。この距離も合っていると思う」

 自ら手綱を取った前走(6月15日、東京1R)が逃げて3着。残り300メートルでかわされてからも踏ん張った同馬に可能性を感じた菜七子は、レース後に「ハミを替えた方がいい」と陣営に進言。この日はハミを掛け直してから馬がグッと伸びた。

 2年連続の七夕勝利。そして、世界女王の称号を手にしたスウェーデンから帰国後の初勝利。菜七子同様に笑顔だったのが同馬のオーナー、Dr.コパこと小林祥晃氏(72)だ。「うまく乗ってくれた。次走はダリア賞(8月3日、新潟)だね」。さらに、コパの勝負服に合わせて黄色と赤色のリボンを後ろ髪に結んだ菜七子を見ながら、「菜七子には自分の持っているバーの個室でカラオケを歌わせたりもするんだよ」と上機嫌に話した。

 続けて同氏から飛び出したのが、菜七子がG1初騎乗を果たした今年2月のフェブラリーSで5着だったコパノキッキングの参戦新プランだった。「アメリカに行くかどうかは交流G3クラスターC(8月12日、盛岡)の内容次第。負けるようなことがあれば、韓国(コリアスプリント)も考えている」。米G1ブリーダーズCスプリント(11月2日、サンタアニタパーク)が秋の大目標であることに変わりはないが、「私のテーマは“菜七子に重賞を勝たせること”だからね。本人には(海外に)行くぞ!と伝えてある」と新たな選択肢を用意する。ブリーダーズCより、日本馬が連勝中のコリアスプリントの方が“菜七子ファースト”のレースともいえる。

 “世界一”となった後も、「また海外で乗ってみたいという気持ちが強くなった」と話した菜七子。チャンスは早ければ2カ月後にやってくる。「どこの国へ行っても、レースでは負けたくないという気持ちが強い。スウェーデンでは日の丸を持った日本人の方もいて、“おめでとう”という声も聞こえました。うれしかったですね」。再び世界を沸かせる日も近い。

 ≪2年連続七夕勝利≫デビュー3年目で自身初の「七夕」騎乗となり、福島2R(3歳未勝利牝馬限定戦、ダート1700メートル)を7番人気コパノステラートで3角先頭から押し切って快勝。同馬の馬主はDr.コパの次男・小林祐介氏。菜七子は減量恩恵が△2キロ減となってからの初勝利で同年のJRA10勝目。女性騎手史上初のJRA2年連続2桁勝利を達成した。レース後、菜七子は「積極的なレースをしたいと思っていた。最後まで踏ん張ってくれて、馬のおかげ」と話した。

 ▼コリアスプリント 16年から韓国ソウル競馬場で行われているダート1200メートル戦。国際G3。1着賞金は5億7000万ウォン(約5250万円)、総賞金は10億ウォン(約9200万円)。17年グレイスフルリープ、18年モーニンと日本調教馬が2連勝中。

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