【安田記念】ルメール独白!アーモンドは「パーフェクトホース」

[ 2019年5月29日 05:30 ]

クリストフ・ルメール騎手
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 5冠牝馬の主戦ジョッキーが騎乗停止を終えてターフへ戻ってくる。「第69回安田記念」(6月2日、東京)でアーモンドアイの手綱を取るのがクリストフ・ルメール(40)。「どの馬が来てもノープロブレム。相手はたぶんいないです」。5日のNHKマイルC(グランアレグリア)で直線外斜行し、開催6日間(11~26日)の騎乗停止を科された名手は復帰週のG1へ揺るぎない手応えを語った。一方、連覇を目指すモズアスコットは、現役最強牝馬相手に一発を狙う。

 ――先週22日には美浦トレセンを訪れてアーモンドアイの追い切りに騎乗しましたね。ドバイターフ(3月30日)優勝以来、約2カ月ぶりの再会。感触はどうだった?

 「手応えがとても良かった。自分から動いていって、いつもの彼女らしいフットワークでした」

 ――どんなフットワーク?
 
「前肢を遠くまで投げ出して後肢で強力に蹴り上げながら加速する。彼女ならではの走りです」

 ――ドバイ遠征の疲れも全くない?
 
「疲れなんて全く見えない、いや、見せないです。息遣いもできているし、遠征前の彼女と何も変わっていません。レース週の追い切り(29日)にも乗りに来るつもりですが、もっと速い反応を見せると思う」

 ――昨年のジャパンCの追い切り時に口にした高級スポーツカー“フェラーリ”の反応?

 「フェラーリのようにアクセルを踏むと瞬時にトップギアに入る。アーモンドアイもGOサインを送った途端に間髪入れずトップスピードになります。厳密に言うと、僕が乗ったのはフェラーリのエンジンを積んだマセラティなんだけど、そういう素晴らしい反応が長所の一つです」

 ――他に長所は?

 「たくさんあります。例えば…道中はリラックスして、直線だけフルパワー。自分のすべき仕事が分かっています。プロフェッショナル。賢い馬です」

 ――昨年の桜花賞以来となるマイル戦。マイルのスペシャリストとの対決とあって国枝調教師は楽観していないが…。

 「どの馬が来ても、ノープロブレム。相手はたぶんいないです。彼女が一番上だから。ダノンプレミアムは強い馬ですが、アーモンドアイはパーフェクトホース。全然心配してません」
 
 ――マイルの速い流れに戸惑うこともない?

 「ドバイの1800メートル戦ではスピードも発揮して、労せずにいいポジションを取れました。きちんとスタートさえ切れればマイルの流れにも乗れます。それに瞬発力も凄いから東京の長い直線があれば大丈夫」

 ――マイルから2400メートルまでのG1を勝っていますが、最も適性の高い距離は?

 「ベストは2000メートルぐらい。でも、オールマイティーだね。桜花賞もめちゃくちゃ強かったから」

 ――今の東京競馬場は時計が速いが…。

 「高速決着も全く問題ない。昨年のジャパンCではレコード(従来の日本レコードを1秒5塗り替える2分20秒6)だから」

 ――秋には母国フランスの大一番、凱旋門賞に挑みたかったのでは…。

 「どのレースにチャレンジするかはオーナーとトレーナーで決めること。僕が判断する問題ではありません。ただ、アーモンドアイは世界のどこの国に行っても通用するレベルだし、僕も彼女とどこにでも行きたい」

 ――4歳春になってサラブレッドとして完成した?

 「いや、ドバイを勝っても、まだこの馬の限界は見えてきません。いったい、頂上はどこにあるのか、どこまで進化するのか…。彼女に乗るときはいつもワクワクします」

 ――ヴィクトリアマイルの週からダービーウイークまで開催日6日間の騎乗停止。サートゥルナーリアなどG1有力馬に騎乗できなくなった。

 「ああ、日本ダービーに乗りたかった…。でも、こればかりは仕方ありません。応援してくれている人々には大変申し訳なかった。今週からまた頑張ります。僕にとって特別な馬と一緒に復帰できるのは幸せです」

 ◆クリストフ・ルメール 1979年5月20日生まれ、フランス出身の40歳。父パトリスは障害の名手。99年に母国でデビュー。03年パリ大賞でG1初制覇。02年から短期免許で来日し、05年有馬記念をハーツクライで制しJRA・G1(重賞)初V。15年にJRA騎手免許取得。昨年、215勝を挙げJRA年間最多勝記録を更新。今年の天皇賞・春をフィエールマンで制し史上3人目の8大競走完全制覇を達成。JRA通算5142戦1007勝。重賞79勝、G125勝。

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