【フローラS】ゼノビア 女王の風格 阪神JFから一変

[ 2019年4月17日 05:30 ]

「女王」の名にふさわしい輝きを取り戻したウインゼノビア
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 パルミラの女王から樫の女王へ。東京競馬開幕を飾る「第54回フローラS」(21日、上位2着までオークス優先出走権)のヒロインはウインゼノビアだ。昨年の阪神JF以来4カ月の休養で華麗なる変身を遂げての復帰戦。G1馬体診断でおなじみの“達眼先生”鈴木康弘元調教師(74)も特別に1頭だけチェックし、女王候補のお墨付きを与えた。

 春の柔らかい朝日を浴びて黄金色に染まる栗毛。「女王」の名にふさわしい輝きを取り戻したウインゼノビアに青木師が頼もしげな視線を送っている。全休日明けの美浦トレセン。厩舎で装鞍する直前の気品に満ちた姿を確認すると、こう切りだした。「阪神JF(13着)の時とは全く違う体つきになりました。背中から腰にかけてのラインがしなやかですよね。それだけ柔軟な筋肉が付いてきたんです」。馬体診断でおなじみ、達眼先生ばりの明快な解説。「1年通して絶好調を維持できる馬はいません。今から思えば阪神JFは昨夏の札幌ほどの体調ではなかった。でも、気温の上昇と共に状態が上がってきました」と続けた。

 1月から厩舎で調教を重ねながら、始動予定のアネモネS、フラワーCとも自重。機が熟すまで辛抱強く待ち続けて本来の輝きを取り戻した。「それまでオフがなったのでダメージが残っていましたが、ここまで待って正解。休み明けでもボケる馬じゃないし、気性的にスイッチを上手に入れられます」

 ゼノビアとは古代ローマ帝国に挑んだシリアの都市国家パルミラの女王。「ゼノビアの美貌はクレオパトラにも劣らず、貞節と勇気ははるかに勝った」。英国の歴史家エドワード・ギボンがこう書き残したゼノビアから命名された牝馬も2歳デビュー当初から女王の香気を放ってきた。「先生、この馬でデカいレースを獲ろう」。ゼノビアの馬上から松岡が青木師に声をかけたのは昨春。稽古駆けする古馬を子供扱いにした。クローバー賞ではライバルが耳を絞ってラストスパートに入るなか、リラックスするように耳を前方へ立てて3馬身差の楽勝。「初勝利の時も耳を立てながら3馬身突き放したんです」と師も驚きの声を上げた。アルテミスSは8枠(14番)から先行勢が失速する流れを自ら動いて小差4着。持久力は直線の長い東京コースで強みとなる。

 「(うるさくなりがちな)全休日明けの調教前でもこんなに落ち着いて立てるなんて…」と再び驚きの声を上げた師。黄金色に染まる栗毛の凜(りん)とした立ち姿に漂うのは女王の風格だ。

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