ルメール 武豊超え!年間215勝で13年ぶり新記録

[ 2018年12月29日 05:30 ]

中山6Rで213勝目を挙げ喜ぶクリストフ・ルメール騎手(撮影・郡司 修)
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 ついにその瞬間が訪れた。中山4Rを勝ち、212勝で05年武豊に並んだルメール。そして6R。白毛のマイヨブランにまたがり、4番手追走から残り150メートルで先頭。真っ白な相棒と共にトップでゴールを駆け抜け213勝目。枠場に戻ると天に向けて両手を突き上げた。

 「武さんの記録を抜けたことが本当にうれしい。僕は日本に来てから武さんがお手本だった。大きなリスペクトを持っている」。頂上に立ってなお連発した言葉は「武さん」だった。

 スタンドからは大歓声。「日本のファンは世界一です」と感謝した。新記録のパートナーは現在、JRAに所属する8037頭中6頭しかいない白毛馬というのもドラマチックだ。「(見た目が)クリスマスみたいな馬だったね」と笑わせた。その後も8、10Rを勝ち、年間最多勝を「215」まで伸ばした。

 「今年は信じられないほど最高な一年だった」。牝馬3冠&ジャパンCのアーモンドアイ。天皇賞・秋を制したレイデオロなどで挙げたG1年間8勝は史上最多。総獲得賞金46億6023万5000円も史上最高額。これら全てが武豊の記録を抜き去ったもの。それでもルメールは「今年、本当に大きかったのは武さんの4000勝。彼はレジェンド。僕はまだ普通」。流ちょうになった日本語で日本人のように謙遜した。

 768騎乗での新記録達成は05年武豊の855回を大きく上回る快ペースだった。大車輪のごとく活躍した自分へのご褒美はオーバーホール。東京大賞典に騎乗した後はインドネシアへと飛び、来年の1週目は中央競馬に乗らず、徹底的に体を休める予定だ。「日本の競馬を一生懸命勉強して毎週、毎週頑張った。今は武さんと話がしたい」。騎乗停止中の武豊はこの日、競馬場にはいなかった。憧れの先輩について語るルメールの笑顔は、まるで少年のようだった。

 ◆クリストフ・ルメール 1979年5月20日生まれ、フランス出身の39歳。父パトリスは障害の名手。99年に母国でデビュー。03年のパリ大賞でG1初制覇。02年から短期免許で日本でも騎乗。05年の有馬記念をハーツクライで制し、JRAでの重賞初制覇をG1で挙げた。15年JRA騎手免許を取得。JRA通算957勝。うちG1が22勝、重賞74勝。1メートル63、53キロ。血液型B。

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